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2004/10/07(木)
楽天監督に“ミスター・タイガース”掛布氏
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仙台を本拠地に、プロ野球への新規参入を目指して加盟申請している楽天が、監督候補を元阪神の掛布雅之氏（49＝評論家）に絞り込んだことが６日、明らかになった。近日中にも三木谷浩史社長（39）が掛布氏と接触し、正式に監督就任を要請する。楽天は５日に早大スポーツ科学部客員教授のマーティ・キーナート氏（58）のＧＭ就任を発表したばかりだが、新規参入の審査が始まる中で「球団」の体制が固まってきた。
公開ヒアリングを終えた楽天・三木谷社長が、ついに初代監督招へいに動き出す。複数の候補者を検討した結果、リストに残ったのは掛布雅之氏。阪神が日本一になった85年、４番として活躍した「ミスター・タイガース」に、楽天は夢を託すことを決めた。
「監督の理想は理解力のある、勝てる監督。選手を引っ張ってくる役割もあるので、外国人では無理でしょう」
三木谷社長は当初、阪神の星野仙一オーナー付シニアディレクター（57）に狙いをつけていた。９月20日深夜、大阪市内で星野ＳＤと極秘に接触。この事実は三木谷社長も会見で認めたが、星野ＳＤは健康上の理由と阪神での仕事が残っていることから辞退。これを受けて再度、候補を検討した結果、掛布氏に白羽の矢を立てた。
条件に挙げていた「勝てる監督」という点で、コーチ経験もない掛布氏は未知数の点もあるが、楽天サイドでは、これまでの野球解説などを通して理論をチェック。打撃理論だけでなく、チームづくりについても「守りの重要性」「データの有効活用」「ファームの充実」「選手への意識づけの大切さ」などを重視する考えは、三木谷社長が描く新球団のイメージと合致している。
さらに知名度という点でも、三木谷社長がヴィッセル神戸の応援で足を運ぶ関西のみならず、全国的にも高いことが楽天のリサーチで判明。また、掛布氏は４年前から自身のオフィシャルホームページを開設。少年野球の普及活動に努めていることも、楽天サイドは高く評価している。
三木谷社長は「いきなり行って、やってくださいというのは非常識な話。打診は当然している」と先月26日に語っており、掛布氏にもすでにアプローチを行っているもよう。この日、公開ヒアリングを終えた同社長は「10月中旬には決めたい。ＧＭは海外の選手を獲るだけの人脈がある。監督はそれを生かす人材を考えている」と話し、別の関係者も「来週には発表できると思う。すでに１人に絞り込んでいる」としており、近日中にも正式に監督就任を要請する。
前日はマーティ・キーナート氏のＧＭ就任を発表するなど、ライバルであるライブドアに先駆けて着々とチームづくりを進めている楽天。新球団のフレッシュなイメージにふさわしい掛布監督が誕生すれば、大きな話題を呼ぶことは間違いない。
◆掛布 雅之（かけふ・まさゆき）1955年（昭30）５月９日、千葉県生まれの49歳。習志野高２年時の72年夏の甲子園に４番として出場。翌年ドラフト６位で阪神に入団。強打の三塁手として頭角を現し、79年には48本で初の本塁打王を獲得した。85年には40本塁打でバース、岡田とのクリーンアップで日本一の原動力となった。88年、33歳で引退。通算成績は実働15年で1656安打、349本塁打、1019打点、打率・292。タイトルは本塁打王３度、打点王１度。
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