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2004/10/30(土)
イラク邦人人質 遺体は香田さんと別人 情報収集に不備
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イラク駐留米軍がバグダッド北部のバラドで発見した遺体について、政府は30日午後、歯型や身体的特徴などから、武装勢力の人質になった福岡県直方市出身の香田証生さん(24)とは別人と発表した。クウェートの日本大使館の医務官が移送された遺体を検視、細田博之官房長官が記者団に明らかにした。これを受け、小泉純一郎首相は香田さんの早期救出と情報確認の徹底を政府内に指示した。野党は情報管理をめぐる政府の混乱を一斉に批判している。 政府は同日未明、イラク駐留米軍から「香田さんとみられる遺体を発見した」との通報を受け、高島肇久外務報道官が「遺体と、香田さんの体の特徴に一致する部分があり、遺体が香田さんの可能性があると米軍が判断した」と発表した。 しかし、細田長官は同日午後、在クウェート日本大使館の医務官が遺体を検視した結果、(1)歯型(2)虫歯に治療跡(3)背丈や後頭部の髪の状態(4)着衣−−などが香田さんの特徴と大きく違っていたことを明らかにし、「総合的に判断して専門家が香田さんではないとほぼ確認した」と述べた。遺体が日本人ではないことも確認された。 香田さんと酷似しているという当初の米軍情報と、実際の遺体の様子があまりに異なっていたため、政府は米軍側が遺体を取り違えて搬送した可能性があるとして、米国側に再度照会した。しかし、クウェートに運ばれた遺体とバラドで発見された遺体は同一と判明。町村信孝外相は「最初に米軍が伝えてきた情報が間違いだった」と記者団に明らかにした。 首相は同日夜、身元確認の情報収集に不備があったとして、首相官邸で細田長官らに注意し、改めて香田さんの早期救出に全力を挙げるよう指示した。一方、野党側は「情報管理がまったくなっていない」(川端達夫民主党幹事長)などと、政府を厳しく批判した。
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