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2004/10/19(火)
<日本シリーズ>西武、打撃戦制し2勝目 第3戦
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04年日本シリーズ第3戦は19日、舞台をナゴヤドームから西武ドームに移して行われ、本塁打が飛び交う激しい打撃戦を西武が10−8で制し、対戦成績を2勝1敗とした。四回に西武がカブレラの2ランなどで3点を取って3試合連続で先制したが、中日は六回に谷繁が逆転満塁弾。しかし、西武は七回にカブレラの満塁弾などで6点を奪って再逆転に成功し、中日の必死の反撃を振り切った。1試合2満塁本塁打はシリーズ新記録。第4戦は20日、西武ドームで行われる。 ○西武10−8中日● 本塁打が飛び交うシーソーゲームは、カブレラの2アーチが飛び出した西武が制した。2点を追う七回、佐藤の二塁打で2者を還した後、満塁としてカブレラが左翼に大アーチをかけた。中日は六回、谷繁の満塁本塁打などで逆転。八回にもリナレスのソロなどで応戦したが、2番手・岡本が喫した大量点が最後まで重くのしかかった。 ▽西武・伊東監督 ところどころに若さが出た。特にバッテリーが同じことを繰り返した。もつれるゲームではなかったのに。シリーズの怖さか、重圧なのか。きょうは打線さまさまだ。 ▽中日・落合監督 ベンチのミスで負けた。ベンチのミスとは監督のミスということ。それ以上でもそれ以下でもない。(七回1死二塁で高橋聡をいったんリリーフに送ろうとしたが、岡本を続投させ)動いちゃいけないところで動いて、選手に余計なプレッシャーを与えてしまった。選手は後半よく追い上げてくれたよ。 ▽西武・カブレラ (満塁本塁打の)打席は集中力が高かった。ストライクが来たらミスショットしないことだけを考えた。シーズン中と違って、リードしてもリードしている気分ではなかった。安心することなく、ずっとゲームに集中できた。 ○…七回の満塁機に同点の2点二塁打を放った西武・佐藤は「とりあえず振り出しに戻したかった」。連続四死球で動揺している2番手・岡本の初球に狙いをすませ、右翼線に見事な流し打ち。先頭で回ってきた四回には中前にはじき返してチーム初安打を記録し、先制のホームも踏んだ。猛打賞の第2戦に続く活躍に「いいペース」と納得の笑顔。 ○…西武の中島は、シーソーゲームを象徴するかのように天国と地獄の気分を行き来した。三回に失策し、その裏の第1打席は三振。「ガラにもなく配球なんか考えていたら思い切り振れなくて」。切り替えて五回にシリーズ初アーチ。 しかし、六回には大量失点に結びつく二つ目の失策。「ショックでベンチでどう励まされたかも思い出せなかった。何としても汚名返上しなければと思った」と、七回に二塁打を放ち、大逆転のお膳立て。「ミスの分、打ったろうとしか考えてなかった」という中島。今季27本塁打の強打ぶりを披露できたが、笑顔はなかった。 ○…一時は起死回生の逆転満塁本塁打を放った中日の谷繁はこれまで7打数2安打と不振だったが、この打席では集中力が違った。1点を返し、なおも満塁で「どんぴしゃのタイミングで打った瞬間に入ったと思った」と振り返った。 しかし、次の打席は1死満塁の好機に「止めたバットにボールが当たってしまった」と併殺に打ち取られた。その直後にカブレラに逆転満塁弾を浴び「ああいう場面で岡本は何度も抑えてきた。行けると思い監督に続投を頼んだんだが……」と悔しさをにじませた。 ○…七回、2点を追う西武の攻撃で、中日が投手交代を告げていないのに救援投手がマウンドに向かおうとするハプニングがあった。この回1死後、2番手・岡本が中島に左翼線二塁打を打たれると落合監督がマウンドへ。落合監督が谷繁らを交え話し合っている最中、ブルペンから高橋聡が飛び出した。 だが、落合監督は投手交代を告げておらず、高橋聡は慌てて引き下がった。ベンチとブルペンの連絡ミスが原因とみられ、「(監督が)交代を告げてないんだから戻るしかないだろ」と森投手コーチ。高橋聡も「(ブルペン担当の)近藤コーチに行けと言われてので……」と歯切れが悪かった。 ◇第3戦の主なシリーズ記録◇ ▽満塁本塁打1試合2本=初▽満塁本塁打 谷繁(中日)=02年第3戦の二岡(巨人)以来15人目 カブレラ(西武)16人目▽2チームで本塁打=9人目 谷繁 横浜時代、98年の第3戦で1本▽連続試合二塁打3 佐藤(西武)=78年の島谷(阪急)以来6人目▽ゲーム最多本塁打2 カブレラ=03年第7戦の城島(ダイエー)以来23人目、28回目▽ゲーム最多打点6 カブレラ(西武)63年第7戦の柴田(巨人)以来2人目
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