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2005/02/03(木)
ゴーセーケー
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量子力学の特徴は線形性、特に部分系の合成がテンソル積になることとそれに由来する「もつれ」にある。これこそが量子力学の最も本質的な主張であり、非自明であって基本的な法則と見なし得るものだと思っていた。だけど、それはちょっと違うかもしれない。
つまり、ここで問題にしているのは、神様が二つの宇宙を管理していて、それらの合成系がどのような状態空間を張るかということではない。このような仮想的な合成操作に関する限りそれが直積であると考える事はそれほどおかしいことではない―かなりの偏見による物ではあっても。それはほとんど合成操作の定義をしている事と同じ事だ。
いずれにせよそのような考察に意味はない。重要なことは、系の合成や分離は物理的な操作であるという事だ。つまり、独立した系といってもそれは常に全宇宙に含まれる。従って、状態のもつれとか量子力学の状態空間たるヒルベルト空間の合成に関する問題は、むしろ全体系の独立した部分系への分離という文脈によって語られるべき問題であり、合成系が直積ではなくテンソル積になるという我々の直感に著しく反する量子力学の特徴的な性質は、世界の性質というよりは、むしろ証明あるいは説明されるべき物だ。
#しかもそれは大して難しくはなさそうなのでどこかに書いてあるだろう。というか、超選択則の逆を考えれば良いのか?
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