Rukeの日記
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2004/08/09(月) サラウンドツヅキ
残念なのは、このヘッドフォンは、DOLBY DIGITAL/DTSのデジタル信号を入力してやることでしか5.1ch入力を行えない。内部的にはこのデジタルデータからアナログサウンド6つを取り出した後、ヘッドフォン用に再構成しているはずなので難しいことではないはずなのだが…。だから4スピーカ出力に対応した3Dゲームなどでも、いったんステレオで出力させてDOLBY PRO LOGIC IIにかけてやるしかない。この場合3Dサウンドというよりは単に音場に広がりが出るだけだ。

もっとも、これは余り問題がない。というのも、結局このヘッドフォンは最終的にはステレオヘッドフォンでしかないからだ。つまり、あたかも5.1chで鳴っているよう聞こえるように2ch分の信号を作って鳴らしているのだ。それならばそれはPCでもできる。というよりこのようなステレオサウンドで立体音場を作るというアプローチは本来数年前にPCゲームで流行った話題だ。

そもそも面白いことに、ステレオ機器で立体音場を作るというのはたくさんのスピーカを使うシステムに比べて劣っているわけではなく、むしろある点では勝っている。それは、人の耳が二つしかないためだ。従って各スピーカの出力が全ての耳に届くよりも、それぞれの耳に入る出力を完全に独立して制御できるヘッドフォンの方が、究極的には理想的なのだ。人間の耳が二つしかないから3Dサウンドにはヘッドフォンで(さらに、少し劣るけれどステレオスピーカーで)十分だ、このスローガンの下に3Dサウンドが研究された。代表的な技術がA3DとEAXだ。

ところが当時のユーザーはグラフィックほどにはサウンドに関心を払わなかったために、PCゲームの3Dサウンドはかなり下火になってしまった。そして、音の定位間に関して素晴らしい評価を得ていたA3Dは、単純なリバーブエフェクトによりサウンドを豪華に聞こえさせることに重きをおいたEAXに破れ、会社は買収されてしまった。

そんなわけで、現状ではとりあえずPCゲームのサウンドはEAXで再生させ、それをMRD DS3000で何の処理もせず、あるいはDolby Prologic IIにかけて(EAXとPrologic IIの相性はかなり良いようだ)聞けばよいのだが、これでは単なるヘッドフォンとして使っているわけで何だか悲しい。そしてもう一つ重要なのは、これでは3Dサウンドの質はゲームソフトに依存するということだ。昔のゲームはA3D,EAXの初期のバージョンにしか対応していないので、これらのサウンドが劇的に改善されることはない。一方、このような初期のバージョンのA3D,EAXでも基本的に4スピーカ出力に対応している。そこで、このような出力を外部で処理させてみたくなる。

もちろん、今持っているMDR DS3000は昔どこかの店で視聴してみたA3D2の素晴らしい定位感には及んでいないのだが、とにかく今のPCがマルチチャンネルサウンドを扱える以上、ゲームの3Dサウンドは4chなり5.1chなりで出力させ、それをヘッドフォン用に再び再構成するのはどこかで一括して行うほうが合理的だ。この場合その部分を取り替えるだけで、3Dサウンドがふるいゲームも含めて一遍に改善される可能性があるわけだ。

ただ、とにかく今持っているヘッドフォンでは6chアナログ入力ができない。そこで、PCでオーディオドライバに送られてきた6ch分のアナログデータをDolby Digitalのデジタルデータに変換して光デジタルで出力できると嬉しいのだが、いろいろ調べてみたけれど現状では無理のようだ。そんなに大変なことでもないしそもそもソフトウェア的に対応できることだと思うのだがそうもいかないようだ。ただ、やはりそういうニーズはあるようでインターネットでも同様の機能を求める機能を見るし、DolbyがDolby Digital Liveとしてそのようなリアルタイムエンコーディング技術をライセンスするようになったらしい。ただ、これは今のところNVIDIAのnForceを搭載したマザーボードか、intelの最新のチップセットを搭載したマザーボードでないと対応していない。サウンドカードの形になっていないとちょっと気軽に導入できない。ただし、intelに関しては、従来のAC'97に変わるものとして策定したHD Audio CodecにDolby Digital Liveへの対応が盛り込まれていて、前述のチップセットもこれへの対応によってDolby Digital Liveに対応したようなので、しばらく待っていれば出てくるだろう。

しかしそれでさらにそのうちサウンドカードやチップセットがDolby Headphone(MDR DS3000と同じで5.1chのサウンドをヘッドフォン用に再構成してステレオサウンドにする技術)に対応したら、このヘッドフォンは完全にただのステレオヘッドフォンになってしまいそうだ。まあPCユーザとしては、アプリケーション側での対応が必要とかいう馬鹿なことにならない限りは、ソフトウェアで機能を実現するほうが好ましいのだが。


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