Rukeの日記
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2004/08/08(日) サラウンド
http://www.ecat.sony.co.jp/avacc/headphone/acc/index.cfm?PD=14699&KM=MDR-DS3000
このヘッドフォンが持つサラウンド機能は、サブウーファーを加えた6つのスピーカーによるサラウンドをヘッドフォンで再現するというものだ。

最近、ホームシアターというのが盛んに宣伝されているけれど、複数のスピーカーを用いたシステムというのは、やはりアプローチとして無理がある。スピーカーを設置する場所を確保するのも面倒だし、効果的なサラウンド感が得られる場所が限られてしまう。これでは、DVDの視聴がメインとなり、応用性がない。

特に、スピーカーを複数にする道を一端選んでしまっては、その先の道は際限のないものだ。最近では7.1chのシステムが出だしている。

このように、通常のサラウンド技術は既存のサウンド機器を置き換える説得力を持たず、特にDVDの視聴に金をかけて豪華な環境を整えようとする者のみをターゲットとしている。基本的にはお父さんのためのシステムなのだ。高い金をかけて最新の薄型テレビ、DVDプレイヤー、サラウンド機能を持ったAVアンプといった物を少しずつ揃え、念願の5.1chスピーカを買ってきてリビングルームの周囲に設置する。そして週末に、ビールをやりながら得意げに、家族皆で映画を鑑賞する…。

そんなわけで、5.1chのサラウンドというのは、コンピュータ雑誌が盛んに煽るほどには、一般のPCユーザには整合しない。だけれど、今のPCを取り囲む状況はこのようなサラウンド技術を非常に身近にする。追加でサウンドカードを導入しなくても、マザーボードにspdifの光デジタル出力と、5.1ch用の三つのアナログ出力がついている。そして、DVDのデータ処理は、動画部分も、音声部分も完全にソフトウェアで賄える。また、3Dゲームの類も、ほとんどが、少なくとも4スピーカの出力に対応している。

そんなわけで、合理的な方法が与えられれば、サラウンドサウンドの導入にはやぶさかではない。それで注目したのがサラウンドヘッドフォンだった。実際、同じようなニーズはかなりあるようで、これらの製品は選択肢が非常に限られ、どれも高価であるが、評判は非常に良い。もともとこれまで使っていたヘッドフォンが断線しまくったこと、机の上をケーブルが這っていて邪魔だったこと、使用中に移動できる空間が限られていたことからコードレスを必須条件としていたのだが、このようなサラウンドヘッドフォンはほとんどがコードレスだった。音楽よりはDVD視聴がメインだという利用形態の差もあるだろうが、結局の所、このコードレスサラウンドヘッドフォンというものは一つのまとまった合理的なシステムであるということだろう。5.1chスピーカシステムはただのステレオスピーカと一長一短となるが、このようなヘッドフォンは、値段の折り合いさえつけば、既存のヘッドフォンをリプレースするだけの説得力をもっている。

問題は値段で、これはもう選択の余地はなかった。このMDR DS3000でさえ1万5千円ほどして、他は皆三万とか八万とかになる(それにも関わらず好意的なレビューが多いのはやはりこのような製品の合理性の表れだろう)。その差は肝心のサラウンドの質に効いて来るのだろうがこれはどうしようもない。ただ、一つ面白いのは、このDS3000はトランスミッターに置いて充電できるのと、頭に装着すると電源がONになるという二つの特徴をもっている。どちらも音に影響しないが、利便性の点でなくてはならない物だと思うが、より高価格帯の製品でもほとんどがこれらを満たしていないため、レビューでも必ず不満を言われている。このMDR DS3000は一まとまりのシステムとして非常に洗練されていると感じる。ただのヘッドフォンからコードレスヘッドフォンに移行したことによる余計な手間が完全に存在しないのだ(というか、今までは使っていないときのヘッドフォンの置き場所に困っていたので利便性は向上した)。SONYというと、VAIOに対して上っ面ばかり整えて合理性という点ですごく違和感を感じることが多かったのだが、このヘッドフォンに関しては合理性の塊だ。

肝心のサラウンドについてだが、期待を裏切らないものではなかったが、期待以上のものではなかった。まるで6つのスピーカが特定の位置にあるかのような聞こえ方にはさすがにならない。もっとも、5.1chサウンドというものが、自然な音場を再現することを目的としているのだから、そのような聞こえ方は本来正しくないのだが、8万円の製品ではそのような記述(http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/16/news051.html)があるので、技術的な興味としてそのような聞こえ方を体験してみたくはある。だが、とにかくDOLBY PRO LOGIC IIモード(通常のステレオサウンドに勝手に音の広がりを持たせてサラウンド感を出す)では、ヘッドフォンが鳴っているのではなく、頭の周りの環境で音が鳴っているというようになり、音量は変化していないのに耳に圧力がかかるということが無くなった。ゲームの3Dサウンドでは音が自分の場所から左に動く場合に、これまでは両方が鳴っている->左だけが鳴っているという風になって、それを頭で「これは音源が左に移動したのだな」と解釈していたのが、頭の周りで鳴っている->頭の左方で鳴っているという風に非常に自然になった。左右のパニングよりもむしろ、自分の位置でのさうんどが、これまでは自分の頭蓋でなっているように感じていたのが自分の周りで聞こえるようになったのが最も新鮮な感覚でかつ自然な聞こえ方だった。

さらに、5.1chでのDVD再生も音の移動が明確に感じられ、音量は変わらないのに音源によって音の分離感が鮮明だ。ただ面白いのは、後方で鳴っている音は比較的きちんと後方で鳴っているのに、前方で鳴っている音はどうしても左右に振り分けられているだけに聞こえてしまい定位感が薄い。後方で鳴る音は後頭部の振動に繋がって、HRTFでの扱いがし易いようで、むしろ前方で鳴る音の方が性格付けが難しいようだ。


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