Rukeの日記
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2004/08/04(水) ブー
中国での反日感情とブーイングが話題になっているけれど、ワールドカップの日韓共催の時、マスコミが日韓友好を人為的に演出し、韓国を異様なまでに持ち上げ、疑いようも無く画面に映る応援のマナーの悪さを下手に歪曲して伝え、そしてそういったことがネット上では広く指摘されていたのにマスメディアでは時が経過しても全く指摘されることが無かったことを考えると、少なくともマスコミには涼しい顔をして批判する資格はない。

そしてもう一つ、どんな国でも複雑な歴史的背景の一つや二つあるものだけど、日本の場合特徴的なのは、それを忘れていることだ。どんな記憶も指数関数的に忘れられていく。しかし日本の場合それは階段関数だった。明治維新以前と以後、戦前と戦後を感覚的に違う世界と見なす記憶の断絶。

韓国でも中国でも日本の文化が広がっているとされる。それもまた、許しではなく忘却なのだ。彼らは今の日本文化を受け入れたにすぎない。単に目の前にあった物が格好良かったから受け入れたのでこのような時日本という国家は眼中にない。

長い間過去を忘れていた日本は、歴史学者の誠実な活動によって忘れていた物を少しずつ思い出した。戦前の日本=悪,連合国=善という画一的な見方は戦前の盲目的な価値観のあり方と本質的には変わらないという危機感から戦争に至る時代背景には比較的客観的な視点が与えられるようになったし、それと同時にそれまで表に出てこなかった日本軍の非人道的行為、そして戦後においてもなお美化して伝えられていた日清、日露戦争の何が真実で何が虚偽であるのか、そしてアジア地域で今も根強い反日感情が一般のレベルでも知られるようになってきた。

それでも、こういったことからは目をそむけたい。だから我々は、思い出すとすぐに許しを求めた。ほんの些細な関係改善に向けての試みにも、まるで全てが許されたかのような過剰な報道がなされる。最近の漢流ブームの演出なども(というか、本当にブームなのか?)まさしくそれだろう。

そうやって過去を無かったことにしながら、一方で今回のような過剰な反日感情に対して、スポーツの応援の精神がどうの、ホスト国の責任がどうのと一般論を用いて安全な立場から批判を行うならばそれは歴史に対する背反だ。

もちろん、現代に生きるどんな個人も過去の人間の行動に責任を負わない。他国に対し卑屈になる必要などない。不当な扱いを受ければ批判すればよい。それでも、我々が過去を忘れたり、過去を忘れようとするならば、それは決して正しいことではない。過去を認識するべきだと言っているのではない。反日感情を剥き出しにしている当人達でさえ既にかなりを忘却しているそれを正確に認識できる人などどこにもいないだろう。それでも、そこに過去があるという事実だけは、忘れてはならないもののはずだ。

日本における歴史認識には、日本の過去を自分達が背負っている歴史だと受け入れる(正当化するということではない)プロセスがすっぽり抜け落ちている。そのために反日感情のような感情の存在そのものが理解できない。

非現実的な提案だが、決勝戦では全員日の丸鉢巻きに「中国全土を侵略してやるぜい」みたいな中国語を書いたたすきをして出てみたらどうだろうか。プロレスで言う所のヒールになるのだ。応援席の中国人はさぞかし盛り上がることだろう。(でもこれでもし勝っちゃったら、、、選手達はかなり危険だな)

香港のカンフーアクションでは、日本人がしばしば敵役となる。彼らは時代考証もへったくれもなく、武士ファッションか忍者ファッションだ。これらの悪役は、それはもう信じられないほどの非道を尽くす。だが、面白いことに主人公がしばしば、日本刀を使って悪を討つのだ。

戦後日本は中国や韓国といった国の存在すら忘れて(今でも他のアジアの国々は「アジア諸国」とその他扱いだ)欧米の背を追いつづけた。だがこれらの国々はずっと日本を見つづけて、例えそれが悪役というものであったとしても、とにかく定まったアイデンティティを与えたのだ。許されることはなくとも受け入れられることはある。それには我々も彼らを受け入れなければならない。


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