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2004/05/10(月)
ウイニィー
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Winnyの作者逮捕だそうだけど、え〜と、金子勇ってひょっとして http://homepage1.nifty.com/kaneko/ このNekoFightの人?3DCG関係で超有名な人なんだけど・・・。この人東大の人だって聞いたことがあるような気がするけれど、ちょっと不明。
んで、どこかのニュースで情報理工学系研究科だというのを見たのでそれを手がかりに調べたら http://www.ipa.go.jp/SPC/report/01fy-pro/explorat/3dworld/3dworld.pdf こんなのを発見。多分、この文書に出てくる金子勇は、渦中の人の金子勇だろう。問題は、NekoFightの金子勇と同一人物か、で。。。あ、Dって見たことがある。つまり http://homepage1.nifty.com/kaneko/water3.htm これ。
う〜ん、Winnyってこの人が作ったのかあ。気合入っているなあ。 え〜と、今回の日記のポイントは、今回の逮捕にコメントするつもりはなくって、 1.この論文しょぼい。 2.NekoFightはやっぱり凄い。 3.Kanekoさんもやっぱり凄い。 ってな所。 ---------------------------------------------- http://kmkz.jp/mtm/ ネットでもそういう話が広がっているらしい。やっぱりそうなのか?
少なくとも現時点では有罪になる可能性は多分にある。何しろ法人化で東大自身が知的財産を武器にしようとしている時期なのだから、大学は彼を全く擁護しないだろう。そして司法は大体企業よりの判断を下す。
この件で有罪となったとしてそれ自体は、現状から考えて批判することは難しいと思う。ただ、有罪にしてそれで終りというわけにいかない問題であることは少なくとも言えると思う。
過去のもっともっと具体性の高かった財の扱いをそのまま情報という抽象的な財に適用し、ひたすら既得権を守ろうとする企業と、現在の社会の枠組みを維持するためにその場しのぎでそれらを認めてきた司法には、一般人のほとんどが漠然と疑問を感じているはずだ。メディアとコンテンツは今や完全に企業の視点から無分別に、ある時は分離され、ある時は同一視されている。
このような違和感は特に、常に知的な生産活動を行いながらそれに対して直接的な対価を受け取らない研究者層においてはさらに強いだろう。
ただ明らかな事だけど、全てを消費者の視点にたって行う、つまり、物質的な形で所有しているものに対しては、何を行っても良いということになれば情報社会は立ち行かなくなるのは当然だ。
とにかく、現在の騙し騙しの方法では、近い将来に何もかもが破綻するのは目に見えている。それは主張とか思想をとりあえず脇に置いて、客観的に構造を見ることができる研究者層の人間なら誰もが直感していることだろう。
結局Winnyが作られた最も大きな動機は、それを示すことだったのだろう。もちろんそれは崇高な使命感という類のものではない。ちょっとした苛立ちと悪戯心なのだろうが。ただ少なくともそれは、「情報の複写は無制限に認められるべきだ/無制限に可能にしてしまおう」という破壊的な思考でなかったのは確かだと思う。
デジタルデータは完璧な複写が可能である。PCで音楽を再生する時は、どんなデータ形式であっても、一度生波形データがメモリ上に展開される。コピーを禁じることは本質的に無意味だ。Winnyは匿名性の高いネットワークを構築し、その上でデータを拡散させた。それは実は、時間の流れを速めただけだ。
もちろん、意図的に著作権の大規模な侵害を起こしたことは事実なのだろうから、その点において作者が一定の罰を受けたとしてそれを批判することは難しいだろう。しかし、いつまで立っても放置される社会の構造的な欠陥を突付いてみたというのが今回のお話なのだから、それでも従来通りの裁きを行って、欠陥を放置し続けるのだとしたらそれは余りにもお粗末だ(大体、作者が泣いて悔い改めようと首をつって死のうとWinnyがネットワークから消えることは既にあり得なくなっている)し、大きな歪みを招くだろう。
しかし、、情報という抽象的な財を扱う社会的な枠組みってちょっとやそっとじゃ作れないよなあ。まず競争原理に基づく資本主義のような無邪気な枠組みでは無理なのは勿論だし。何か凄く巧妙に考えられた経済理論に基づく管理社会がどうしても必要だと思うけれどそんなものちょっとやそっとじゃ作れないだろうし。。。やっぱり情報の具体化のプロセスを秘密裏に後押しするしかないのかな。 --------------------------------------------- 僕らの世代だと、この手の事件ではどうしても著作権を侵害した側に好意的に書いてしまう。人によってはこれでも十分ではないかもしれないけれど、ここまでは一応出来る限り客観的に書いたつもりだ。
ここから、少し作者に好意的な見方を書いてみたい。とは言っても、結構真実に近いのではないかと思う。
Winnyの特徴は様様な場面で暗号化を効果的に使うことと中継転送による高い匿名性だった。これが僕には、利用者各々の為に付けられた機能だとは思えない。これは単に、やはり情報社会の構造的欠陥を浮き彫りにするために、ごくごく一時的な匿名ネットワークを構築し、一定の期間理想的な拡散現象を可能にすることが最大の目的だったのではないかと思うのである。
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