Rukeの日記
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年2月
前の月 次の月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29            
最新の絵日記ダイジェスト
2005/03/03 ブログー
2005/02/27 サンデーメガネ
2005/02/24 リッタイシ
2005/02/23 アメノイワヤト
2005/02/21 ホムパゲ

直接移動: 20053 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200312 11 10 9 8 月 

2004/02/08(日) ショーリャク・ツー
もっともらしく見えた以上、根拠があるはずだ。それをちゃんと考えよう。するとこの主張は「示量変数が全て尽もっともらしく見えた以上、根拠があるはずだ。それをちゃんと考えよう。するとこの主張は「示量変数が全て尽くされている」こととほとんど同値であることがわかる。「示量変数が全て尽くされている」を厳密に言い直すと「他のどんな示量変数もこれらの示量変数の関数である
」ということであるから当然である。この下で、確かに、加法性から示量性が導かれる。

つまり系を二つに分けるのは状態空間を分離するだけの操作でないといけなく、形式的に右半分の部分系Rと左半分の系Lに分けて考える。このときS=SR+SLである。このSR,SLは先の議論より示量性を満たすはずである。実際、このRやLをじっと観察すると、次の事実がわかる。「平均N/2個の粒子ししかいないが、N個の粒子が現れる」。従って、LやRの状態数を数える時には、N個からN/2個とる場合の数をかけなければならないとわかる。全体系に対し状態数を数える時には、全く考慮しなかった現象である。

こうして次の意外な事実がわかる。「E,V,Nでは、区別できる粒子の巨視系の熱力学変数が尽くされていない」。

これが答えである。

#熱力学の議論を成立させるためには、いくつかの特定の仮想的な操作が可能でなければいけない。それがこのような直感的でない熱力学変数を生むのだろう

未知の示量変数はまだわからないがとりあえず、一つ新しい示強変数が見つかった。それは、現れる粒子数N'である。Nという文字を使ったが、これは示強変数である。ある系に対し、そのどんな部分系を考えてもN'は同じ値を与える。また、複数の系を持っきて並べただけでは全体系に対して定義できない。この点温度に似ている。ただし、しきりを入れたとたん、各部分系のN'の値は急激に下がる。ちょっとエントロピーに似ている。

このN'を使って状態数を計算することができる。それにはN'!/N!(N'-N)!を掛けて普通に計算すればよい。とりあえず、N'>>Nとすれば、示量性であることを我々がすでに知っている、理想気体の本当のエントロピーと同じ形の式が出てくるが、そうでないときも、ここまでの議論が正しければ自動的に示量性が満たされているはずであるが、もう眠いのでお休み。
---------------------------------
と、思ったが少し計算したら、N'>>Nでないと示量性にならない。これはこの系ではマクロであることの条件としてN'>>Nが追加されるということなのかな?よくわからん。少なくとも今までの議論が正しければ、N'とNが近いときは熱力学の主張を成り立たせるような示量変数の組が存在しないという結論になる。そしてN'>>Nなら、SがE,V,Nのみの関数となるので結局その未知の示量変数は表に出てこない。つまらん。
-----------------------------------
やっぱりおかしい。もはや系の状態はE,V,N,N'で指定できるから、S(E,V,N,N')で、加法性を用いれば示量性が出る。S=2*S(E/2,V/2,N/2,N')だから。

とりあえずここまでのまとめとして、
1.巨視状態をその部分系を含めて記述する完全な示量変数の組X1,X2,..,Xmがあって、部分系に関し加法的な量Yがあるなら、Yも示量変数
2.Wを計算すればlogWは厳密に加法性を満たす

これは古典的とか量子論的だとか関係ない、統計力学と熱力学の一般論だということが確認できた。また、以上の事実は直接には「系の巨視的状態を完全に記述するマクロ変数の組が存在する」ことのみを要求し、系がマクロであることを直接には要求しない(もちろん「」が成り立つにはマクロでないといけないが)。

従って、N'>>Nという条件なしに、エントロピーは示量性を持たなければいけない。これは系の内容に具体的に立ち入らずに導かれる、論理の帰結である。パラドックスが入り込む余地は(実数論、統計力学、熱力学自身が矛盾を含むのでない限り)厳密に存在しない。

では、古典粒子理想気体のWの計算に立ち返ると、これを直接行うのはすごく困難で、エネがE以下の状態数Ωを数え上げ、dΩ/dE δEだとした。そして、Eが十分大きいときはこれがΩそのものとしてよい(logとった後の、示量性項しか興味ないから)ことからS=lnΩとした。

今度の場合はW=dΩ/dE δE δNである。同様に議論してもW=ΩδNとなり、δNが残る。すると、S=lnΩ+lnδNとなる。δNは状態によって決まる。今、熱力学変数が尽くされているから、δNはE,V,N,N'の関数である。そして、ここまでの議論から、Sは当然示量変数である「はず」である。従って、具体的な形はわからないものの、lnδNがつじつまを合わせてSを示量変数にしているのである。

こうして、論理的にはパラドックスは完全に回避された。

そのうえ、このことを逆手にとって、δNの関数形を定めることができるある。実際我々はそのようなδNの一つを既に知っている。今ΩはN'!/N!(N'-N)!が掛かった形になっているが、この係数をキャンセルして1/N!だけを残すようにすればよい。δN=(N'-N)!/N'!が目的を達成する。もちろんδNにはいくらかの不定性が存在するが、とりあえずそれは興味の範囲外である。古典粒子の理想気体ではSにすら不定性が存在するのだから)。

なお、以上の議論でδNにも消えてもらうには、ΩをエネがE以下で粒子数(IME君。竜指数ってなんだい。かっこいーな。)がN以下の状態数として定義すればよいだろう。このΩを厳密に計算し、おもむろにlogをとれば、示量性を持ったSが直接得られるはずである。このことに疑問の余地はない。

しかし、こうして定義したΩを実際に計算するのは、どうやら難しそうである。
--------------------------------------
δNをこんな風に断言しちゃ駄目じゃん。結論修正。
1.区別できない多粒子系のエントロピーを流用することに問題はない。
2.しかし本物の区別できる多粒子系のエントロピーは異なった関数であるかもしれない
3.しかし少なくとも(位相空間の体積が定義できる以上)エントロピーは存在する
4.補足として、第三則はもちろ満たさない


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.