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2004/12/18(土)
ゾク
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実際には以下のような構成を考えた。
1. △_φ=(∂/∂φ)^2 △_θφ=((sinθ∂/∂θ)^2+(∂/∂φ)^2)/sin^2θ △=(∂/∂r(r^2∂/∂r)+((sinθ∂/∂θ)^2+(∂/∂φ)^2)/sin^2θ)/r^2 はそれぞれ自己共役である(これらは量子力学でL_z^2,L^2,自由粒子のハミルトニアンに対応するから、この証明は直交座標に戻してこれらをx,i∂/∂x等で書き表すのが良い。)。そこで、この順に固有関数系を構成するのが簡単であろう。
2.△_φの固有関数系 φの関数とは、[0,2π]上の周期関数であるから、フーリエ変換の議論等で良く知っているように、exp(imφ)(m=,,,-2,-1,0,1,2,,,)にとればよい。固有値は-m^2
3.△_θφの固有関数系
2.より(θを固定して展開することを考えて)任意のθ、φの関数f(θ,φ)はf=Σf_m(θ)exp(imφ)と書ける。これを固有方程式△_θφ f=λfに代入してexp(imφ)の係数を見ると、f_m(θ)exp(imφ)自身が固有関数であることがわかる。そしてx=cosθと置く事でf_m(θ)(をx=cosθの関数と見た物)が満たす方程式としてルジャンドルの陪微分方程式
[d/dx(1-x^2)d/dx-(m^2/(1-x^2)+λ)]f_m=0
が出現する。
4.m=0の場合
m=0の場合 [d/dx(1-x^2)d/dx-λ]f=0(ルジャンドルの微分方程式) となるが、n次多項式を左辺に代入するとやはりn次の多項式となる。n次多項式は定数倍を除けばn-1個のパラメタで決まり、λを含めてn個のパラメタとなるから、各次数の項の係数を0と置く事で、λとn次多項式(定数倍の不定性を除く)が一意に決まってしまう。そして0次からn次までの多項式の線形結合でx^nが作れるから@より、これらの多項式は関数空間の基底をなすことがわかる。故にこれらを以って固有関数系とすればよい。なお、左辺のx^nの項にはfのx^nの項しか関係ない。左辺のx^nの項の係数よりλ=-n(n+1)が分かる。ルジャンドルの微分方程式のn次多項式解をP_0,nとする。(定数倍の不定性は後で母関数との兼ね合いで決める)。
5.一般のmの場合
n>=|m|としてルジャンドルの方程式を|m|回微分してP_m,n=(1-x^2)^(|m|/2)d^|m|P_0,n/dx^|m|と置くと、これがルジャンドルの陪微分方程式を満たすことが分かる。ところで、P_m,nは(sinθ)^m(xののn-|m|次多項式)の形をしている。単位球面上でx=sinθcosφ,y=sinθsinφ,z=cosθでありフーリエ変換を念頭におけば、x^i y^j z^k(i+j=m,i+j+k=n)はcos^(n-m)sin^mΣ_(k=-m to m)a_k exp(ikφ)と書ける。これから逆に任意の関数のexp(imφ)の係数を考えると、それが、sin^mθ・(θの任意の関数)となる事がわかる。故に、P_m,nは関数空間{f(θ)exp(imφ)}において基底をなす。
6.母関数とロドリゲスの公式
g(t,x)=sqrt((1-2tx+t^2))を|x|<=1,0<=t<1においてテイラー展開し、そのt^nの係数をP_n(x)と置く。また、z=(x^2-1)^nを二項展開し、n回微分する。すると、P_n(x)=(d^n/dx^n)(x^2-1)^n/(2^n n!)が分かる。このP_n(x)はn次多項式であるが実は先のP_0,n(x)である事を示す。それには、∂g/∂t=g (x-t)/(1-2tx+t^2)や、∂g/∂x=g t/(1-2tx+t^2)から、(1-2tx+t^2)∂g/∂t-(x-t)g=0,(1-2tx+t^2)∂g/∂x-tg=0を得、それぞれにgの級数展開を代入することでP_n及びその導関数に関する漸化式(ここは結構大変) (n+1)P_(n+1)-(2n+1)xP_n+nP_(n-1)=0 P_(n-1)=(x-(x^2-1)/n d/dx)P_n P_(n+1)=(x+(x^2-1)/(n+1) d/dx)P_n を得、下の二式よりP_n(x)=(x+(x^2-1)/n d/dx)(x-(x^2-1)/n d/dx)P_nであり、これを計算するとルジャンドルの微分方程式となる。
7.直交関係、球面調和関数の導入 P_m,nはm,nが一方でも異なれば直交する。自身との内積は部分積分を頑張って繰り返すことで ∫_(-1 to 1) P_m,n(x)P_m,n(x)dx=∫_(0 to π)P_m,n(cosθ)P_m,n(cosθ)sinθdθ=2(n+|m|)!/(2n+1)(n-|m|)! である。そこで正規化された固有関数系として球面調和関数 Y_m,n(θ,φ)=sqrt((2n+1)(n-|m|)!/4π(n+|m|)!)P_m,n(cosθ)exp(imφ) を導入する。
8.ラプラス方程式の一般解 φ(r,θ,φ)=ΣR_m,n(r)Y_m,n(θ,φ)とおき、ラプラス方程式に代入すれば各m,nについて (d/dr r^2 d/dr -n(n+1))R_m,n(r)=0 を得る。二階の常微分方程式だから独立な解が二つ見つかればよい。r^n,r^(-n-1)が見つかり、 φ=Σ(A_m,n r^n+B_m,n r^(-n-1))Y_m,n(θ,φ) が一般解。ところが、このr^(-n-1)の項は、多重極展開っぽい。
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