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2004/10/05(火)
ツヅキ
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また、他の生徒が、 「四面体ABCDで、各頂点A,B,C,Dから対面の重心に対して引いた線分は一点でまじわることを示せ」 という問題で、がんがん計算で押していく方法で解いたのだが、もっときれいな方法があるような気がする、もし知っていたら教えてほしい、と言ってきた。
これ、もし何もなしにいきなりこの問題がでてきたら、生徒には必ず以下の方法で解かせる(ベクトルの矢印記号省略) (1)AB,AC,ADをb,c,dと置く(これは必ずしも必要ない) (2)以下登場する全てのベクトルは適宜b,c,dで表す。 (3)二つの題意の線分の交点を求める (4)その交点が残りの二つの線分に乗っていることを示す
というのも三次元のベクトルの問題では、三つの基底(生徒には基準とするベクトルとか言うけれど)を選んでやれば、ベクトルの表現は一意に決まるから、何も悩まないで済む、その係数に関する単なる計算問題になるからだ。だから、三つ選ぶ→出てくるベクトルは全部それらで書く->条件の立式->係数比較等というのが標準的かつ、計算が面倒なことはあるにしろ万能な解法だ。ベクトルの問題の指導は、この一連の流れを見につけることが全てに優先する目的になる(んでこれが学校の授業だけじゃ絶対に身についていないんだわ…)。
ただ、この生徒の場合、それは既に自分で行っていて、その上でもっと良い方法はないのか、と聞いてきたわけだ。これは大歓迎であり、こちらも、四つのベクトルを残してしまうと係数がいろいろにとれるようになるため見通しが著しく悪くなるから一般的にはするべきではないのだけど、この問題の場合四つの頂点が対等に表れているから、それぞれを対等に扱い続ける事で問題の構造が良く見えると期待できるのだと前置きした上で、 「Aから対面の重心への線分上の点はパラメタt(0<=t<=1)を用いて OP(t)=tOA+(1-t)(OB+OC+OD)/3 と表せる。ここでt=1/4を代入すると OP(1/4)=(OA+OB+OC+OD)/4 がこの線分上に乗っていると分かる。同様にすればこの点は他の三線分上にも乗っていることがわかる 」 というような解答を教えた。こういった、解答単位でなしに、新しい視点を教えることができる状況というのは相手のレベルと自分のレベルの両方に依存するため滅多にけいけんできない。これは非常に嬉しかった。
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