Rukeの日記
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2003/08/29(金) ヘヴァ
パネル展示の修正も終わり。

明日から土日になってしまうので、今日読売の担当者にあって一撃離脱でデータだけ渡してくるつもりだったのが、アポとったら、他の話し合いもしよう、ということで、急遽他のメンバー招集。

線形代数だー。勉強せねば。

そういえば、二次の正方行列に関するケーリー・ハミルトンの定理が、固有方程式を多項式と見て、行列自身を代入した形になっていることは、ちょっとませた高校生には結構知られている。僕は高校時代、SEGなる塾に通っていたのだが、ここは理想的な数理教育を模索して教育を行っている(のを理想としている)塾で、そうすると生徒も豆知識的な知識を多く持つ傾向があって、ケーリー・ハミルトンに関するこの知識も周りを見渡すとかなりの知り合いが知っていた。

そうすると、この事実に自然な流れで結びつくケーリー・ハミルトンの定理の証明はないのか、という疑問がわく。それは当然、より高次のケーリー・ハミルトンの定理を与えるだろう。

実際SEGでも何人かの先生は、固有多項式が(x-固有値1)()...の形に因数分解できることを利用した証明をやってみせていたりもしたようだが、この場合、固有値が次数ぶんない場合は極限を用いて処理しなければならないという点でキニクワン。

で、そんなことよりも何よりも、行列が自身の固有方程式を満たすなら行列は自身の固有値であると見ることができるのか、ということに興味が湧くわけで、(あ、これAx=Axとかいうしょうもない話ではないですが、う〜ん。TeX使わんとうまく説明できん)、そうすると、望ましい証明は行列を固有値と見たときに、対応する固有ベクトルも明らかにするような証明できなきゃいかん。この場合、一部の行列を別に処理することも必要ない。

これ、僕の周りで数学をそれなりに好きな人間は結構似たようなことを考えたりしてようで、議論などもあったのですが、結論は出ないし、結論を示せる人もいなかったのですね。

で、僕は、自分で考えてもできることはたかが知れているわけで、こういう時にはさっさと調べることにしているのですが、本屋で線形代数の本をひたすらめくっても、どこにも出ていない。ひたすら探して、やっと一冊にこの線での証明を見つけたのでした。

高校時代線形代数で思い出に残っているのはこれくらいしかないので、そのうちここを見ている高校生向け(だからいるのか?)にこの証明を書いてみよう。

ちなみに、その本では、行列の最小多項式とは何か、を論じている文脈でケーリー・ハミルトンの定理とその証明が出てくるのですが、さらに、そもそもケーリ自身この定理は最小多項式の議論の中ではじめて示したそうですが、「ほとんど明らかである」と書いて、2次と3次の場合について具体例を計算して見せただけなのだそうです。

つまり、ケーリー・ハミルトンの定理は正しい流れの中におけば、自明な事実でしかないわけで、その点で、上記のような疑問は高校教育の節操のなさに起因していると言えるでしょう。そりゃあ突然二時正方行列は皆この多項式を満たします。とか言われたら、おいおい、ちょっと待てって思うわな。
#もっとも、高校数学でケーリー・ハミルトンの定理がもっぱら次数下げに使われているのは、なるほど最小多項式の使い方なのであって、おそらく高校の線形代数で感じる歪さは、結局の所二次正方行列しか出てこない、という点に集約されるのでしょう。


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