Rukeの日記
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2003/12/20(土) ボーダンソーリョ
何故かBullet Monkを見た。というか日記に時間をかけすぎて、日記を書いてこれを見たら一日が終わってしまった。決めポーズがいちいちかっこ悪い。でもなあ、普通にカンフーアクションすればそれで十分驚異的な動きができる俳優を使って、どうしてマトリックスアクションするかなあ。そこで興ざめしてしまう。
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ヴァルデマール年代記の一巻は、三角括弧使いすぎ、つーか<もとめ>にしゃべらせたのは失敗だろう、などといろいろ文句を言いつつも、なんだかんだで楽しめる。というかこの独特の文章の雰囲気はなんなのだろう。物凄い落ち着いた、色にして灰青色のような雰囲気。しかし登場人物たちは、結構感情任せに動いている。翻訳に惑わされているのかもしれない。原書を読んでみたいがかなり重そうだ(重量がじゃないよ)。
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でろでろ君が、二次元の波動関数のエネ固有状態を求めるなんてのに手を出している。

私はこのような問題には全く興味がない。電磁気学でも、境界条件から電位を決定する(ポアソン問題だっけ?)といった話があるが、このような定常状態に関する議論は世界の作り方という観点からはあまり重要ではないからだ。つまり、世界を作ってやれば(初期状態と物理法則を与えてやれば)、そこここでかってに定常状態が生まれる。

ところがちょっと調べて見ると、この観点から見ても面白い方法が見つかった。それは、まず、時間発展させてみてその時間発展の様子を観察することで固有状態を知るというものだ。つまりこの手法は、世界をまず作って、それを観察して知りたいことを導き出すという点で物理学的に自然な方法で、私にとっても興味がある。

http://www.kuchem.kyoto-u.ac.jp/bk2003/BK2003/Abs/1pp/1Pp044.pdf
この文書自体は、このスペクトル分解法の改良についてのべたものだが、この方法自体についても簡潔に紹介されている。

さて、その方法は。適当な初期状態|ψ(0)>を用意するとそれは|ψ(0)>=Σc_kφ(k)となっているはずである。ここでφ(k)はエネ準位E_kに対応する固有状態である。するとこの関数をハミルトニアンによって時間発展させて、|ψ(t)>を得る。ところがこの結果は
|ψ(t)>=exp(-iHt/hbar)|ψ(t)>=Σexp(-iE_kt/hbar)c_kφ(k)
とかけるはずである。よく見るとこれは位置を固定すると、フーリエ級数の形になっている。

従って、原理的には各点について、時間方向にフーリエ変換してf(w=E_k/hbar,x,y,z)=c_kφ(k)(x,y,z)を求める。んで、各kを固定して正規化してやればよい。

というか、一点についてフーリエ変換するとエネ固有値が決まるので他の点では後はその固有振動数についてのフーリエ展開係数のみ求めればよい。

引用した文書でこうやってないのは、恐らく精度などについての問題であろう。この文書中では、自己相関関数
ρ(t)=<ψ(t)|ψ(0)>
を求めている。これは
ΣΣexp(-iE_kt/hbar) c_k^* φ^*(k) c_k' φ(k')
=Σexp(-iE_kt/hbar)|c_k|^2
となるはずで、このフーリエ変換のピークを見てやればエネ固有値がわかる。まあ、一点についてだけ計算してエネ固有値を決めるよりはましなわけである種の平均処理だろう。

あとは、同じである。つまり、exp(+iE_kt/hbar)ψ(t)を各点で、十分な時間Tに渡って時間積分するとTc_kφ(k)(x,y,z)が得られる、ということが書いてあるがこれはつまりフーリエ変換係数を求めているだけである。

数学的にも物理的にも非常に自然な解法である。しかし数値計算としてはやはり精度の問題などいろいろあるようだ。

なお面白いのは、この文書の冒頭で、波動関数の時間発展の表示、あるいは計算の方法に、ハミルトニアンが運動量演算子依存の部分と位置演算子依存の部分に分離できる場合にのみ使える方法を用いているのだが、その説明で、もろに、運動量表示と位置表示をフーリエ変換で行き来している。う〜ん、昨日分かったことは、普通に常識のようだ。

ついでにいうと、この計算方法では、時間方向にいくら進んでも誤差が蓄積しない。従って迷うことなくこの方法をとるべきであるのだろう。
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昨日に書きすぎたので、日曜日の方に書いた。というか今日曜日だけど。そしたらまた書きすぎた。というか書いている最中にたまたまスペクトル分解法の文書を見つけたのだけど。
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縮退がある場合はどうするんだろう?
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なるほどこんなところでシュミットの直交化法が役に立つ。ψ(0)をたくさん用意してやってそれぞれについて上記の方法を行う。もしφ(k)として違うものが得られたら。シュミットの直交化法を用いて正規直交基底になるようにする。新しい基底が得られなくなったらそこで終わりで縮退度が判明する。

#ついでに言うと、ψ(0)がたまたまどれかのエネ固有状態を含んでいなかったとか、たまたま固有状態そのものだったとかいう可能性もあるのでそのチェックにもなる。

いやこの方法は素朴すぎだろう。実際はどうするのだろうか…。


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