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2004/09/26(日)
Bobby Bland on Malaco
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「最も好きなソウル・シンガーは?」と訊ねられると大抵は「ジェイムズ・カー、スペンサー・ウィギンス、それにO.V.ライトかな」と答えるんだけど、「最も好きなブルース・シンガーは?」と訊かれると答えに窮することが多い。 でも「最もよく聴くブルース・シンガーは?」なら、躊躇うことなく「ボビー・ブランド」と言えそうだ。 85年の移籍第一弾『Members Only』から、マラコでのアルバムは新作が出る度に欠かさずに買ってるもんなぁ。
現役ブルースマンの中で最も安定した活動を続けているのはこの人だと思う。 楽器をやらないから、ロック・ファンから注目されることは殆どなかったけど、それが却って良かったんでしょう。 ブランドは活動の場を黒人街以外に求めなかった。 だから、非黒人マーケットを意識したヘンテコなアルバムが作られることもなかった。 B.B.キングみたいにムラがないんだよね。 最もメインストリームに接近した、ABC/ダンヒルでの『His California Album』(1973年)ですらも、決してヘンなアルバムじゃない。それどころか、シンガーとしての魅力はデューク時代に勝るとも劣らないと思います。
ブランドの姿勢はデューク時代から一貫して変わっていないんです。「ブランドはデューク時代こそ最高」とは思いませんね。 ブルース・バラードの味わい深さや包容力ではむしろ年輪を重ね渋味が増した現在の方が上じゃないかなぁ。
でも困ったことに、ブルース名盤選の類(この種の企画には弊害もあると思うな)ではいまだにデューク時代のアルバムばかりセレクトされてるし、マラコでは『Members Only』くらいしか取り上げられないから、最新作を聴いてる人なんか少ない。 昨年出た『Blues at Midnight』にしたって、すごく良いアルバムなんですけどねぇ。
1985 Members Only 1986 After All 1987 Blues You Can Use 1989 Midnight Run 1991 Portrait of the Blues 1993 Years of Tears 1996 Sad Street 1996 "Live" on Beale Street 1998 Memphis Monday Morning 2003 Blues at Midnight
『Members Only』だけじゃなく、『Blues You Can Use』『Portrait of the Blues』『Years of Tears』あたりは是非聴いてみて欲しいなぁ。 「ブルースってホントに良いものですねぇ」としみじみ思えるはずです。
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