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2004/09/12(日)
Eric Von Schmidt
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ストレンジ・デイズ最新号の表紙(http://www.strange-ds.com/bndata/No.61.html)で思い出したのが、昨年初CD化リイシューされた、エリック・フォン・シュミットの『2nd Right, 3rd Row』。 ウッドストック系の埋もれた名盤の一枚なんだけど、あんまり話題にならなかったですね。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00008BRDQ/
エリック・フォン・シュミットというと、デイヴ・ヴァン・ロンクと共に、白人ブルース・シンガーの草分けであり、ボブ・ディランのお師匠さんとも言える人。 ディランがデビュー・アルバムで取り上げた“Baby, Let Me Follow You Down”は、フォン・シュミットの“Baby, Let Me Lay It on You”を改作したもの(さらに元ネタを辿ると、フォン・シュミットはブラインド・ボーイ・フラーの“Mama, Let Me Lay It on You”を元にしたようだ)。 また、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』のジャケット写真で、ディランの傍らに重ねられているLPレコードの一番上にあるのは『The Folk Blues of Eric Von Schmidt』(1963年)。 それと、『ナッシュヴィル・スカイライン』のジャケ写真でディランが取っているポーズも、おそらく同アルバムのフォン・シュミットを意識したものでしょう。
ちなみに、『ブリンギング…』のジャケ写真で、上記のフォン・シュミットのアルバムの下にあるのは『Lotte Lenya Sings Berlin Theater Songs of Kurt Weill』(1955年)。原題は『Lotte Lenya singt Kurt Weill』。写真に写ってるのは米国盤です。 ロッテ・レーニャはクルト・ワイルの奥さん(一度離婚した後、再度結婚した)で、ブレヒト/ワイル作品を数多く録音した歌手であり、『007/ロシアより愛をこめて』なんかにも出演した女優でもありました。 さらにその下がラヴィ・シャンカールの『India's Master Musician』(1963年)、次がロバート・ジョンスンの『King of the Delta Blues Singers』(1961年リリース)、一番下はインプレッションズの『Keep on Pushing』(1964年)ですね。 あと、後ろのマントルピースの上に飾られているLPレコードは『The Best of Lord Buckley』(1963年)。 (ここまで調査してるものは、書籍/雑誌記事にもネット上にも無いでしょう。と、ちょっぴり自慢 ^^;)
『2nd Right, 3rd Row』(1972年)に戻ると、これはフォン・シュミットのソロ名義アルバムとしては4枚目にあたり、ベアズヴィル・スタジオで録音されたもの。 プロデューサーは、同じ頃にエリック・ジャスティン・カズの『If You're Lonely』やボニー・レイットの『Give It Up』を制作しているマイケル・カスクーナとボーダーラインのジム・ルーニー。 バックにはジェフ&マリア・マルダー、エイモス・ギャレット、ポール・バターフィールド、ベン・キース、ビリー・マンディなど、ウッドストック系ミュージシャンがズラリ。 なお、アコーディオンでCampo Malaquaという名前がクレジットされていますが、これはガース・ハドスンの変名。
この系統が好きな人なら、顔ぶれを見れば、どういう音が出てくるかだいたい想像できるはず。 まさにその通りの実に味わい深い演奏です。 3曲目“My Love Come Rolling Down”で聴かれる、バターフィールドのハープ、やはり良いなぁ。
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