るーべんの音楽日記
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2004/08/09(月) BLUES LEGENDS
『BLUES LEGENDS』【DVD】の英文ライナーの訳が届く。
二人の経歴にも詳しく触れている、かなりの長文ですが、その中からDVD収録映像に関する部分だけ抜粋し、転載します。

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アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァルに参加したことで、メンフィス・スリムとサニー・ボーイ・ウィリアムスンはそれぞれに理想的な聴衆と出会うことができた――スリムにとってはヨーロッパの上品なジャズ・ファンと、一方のサニー・ボーイはアメリカのブルースに熱中するイギリスの若きロック・ファンとの出会いを果たしたのだった。
1963年のフェスティヴァルを終えたあとも、スリムとサニー・ボーイは共にポーランド・ツアーを敢行、デンマークでは、のちにストーリヴィル・レーベルからリリースされることになるアルバムのレコーディングも行っている。さらに1963年12月1日のパリはブルース・バーにおける両者の共演の様子はライヴ・アルバム『SONNY BOY WILLIAMSON & MEMPHIS SLIM IN PARIS』に纏められた。

同じころメンフィス・スリムとサニー・ボーイ・ウィリアムスンはテレビ・ショウ『JAZZ PRISMA』に出演、ナイトクラブを模したブラッセル(ブリュッセル)のスタジオで、黒い服に身を包んだ観客を前に演奏している。本作には、この際の10曲分のパフォーマンスが収められている。
ステージは「俺にはブルースがある/お前にだって/夢が叶うまで俺はいつまでも歌い続ける」という一節で有名な「The Blues Is Everywhere」で始まる。この曲を演奏するスリム、M.T.・マーフィ(のちにマット“ギター”マーフィとして知られるようになる)、ドラマーのビリー・ステプニーの3人は、続いて「All By My Self」を披露、この風変わりなナンバーは、おそらくは「Turkey In The Straw」と同じ曲から発展したものだろう。
ここで若干ペースを落とし、「My Gal Keeps Me Crying」のすばらしいヴァージョンが始まる。カメラはマーフィのT ボーン・ウォーカー風のギターをバックに目を閉じて演奏するスリムの姿を捕え、マットのシンプルで乗りのいいギターと、ステプニーもドラム・ソロの出番となる。
次いでスリムはルンバ調のブギ・ナンバー「I'm Lost Without You」を披露、「Wish Me Well」で自身のセットを締めくくる。マーフィとスリムのインタープレイも「Wish Me Well」の聴きどころのひとつだが、何より感動的なのは最後の一節(「俺はお前を諦める/まだ愛しているけれど/ばかにされるのはもうたくさんだから」)である。
ここでサニー・ボーイが登場し、バンドと共に4曲を披露、ベルギーのカメラマンは1曲目に演奏されるスローな「Lonely Man」でハーモニカを吹くウィリアムスンのアップを捕えている。これに続く「Keep It To Yourself」は「Lonely Man」とは対照的なアップ・テンポのナンバーで、テーマは浮気だ(「愛しい人/俺たちのことは誰にも話してはいけない/ほんのひとことでも口にしてはだめだ/お前には夫が/俺には妻がある/何か言えば俺たちの人生はめちゃくちゃになってしまう…。」)
次に、サニー・ボーイは、彼がチェスに残した最高の作品のひとつ「Your Funeral And My Trial」を披露、バンドとの演奏はここまでで、完全なソロ・パフォーマンスとなる「Bye Bye Bird」では、ハーモニカを口の中にいれ、手を使わずに音を出すというサニー・ボーイの特異なパフォーマンスを確認することができる。

『JAZZ PRISMA』からの以上10曲に加え、本作『BLUES LEGENDS』にはメンフィス・スリム、サニー・ボーイ・ウィリアムスンの計5曲分のパフォーマンスが収録されている。スリムの映像は、1962年のアメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァル・ツアーの最中に撮影された「Rockin' The House」と、同じく1963年の「I'll Just Keep On Singing The Blues」の2曲で、いずれも『THE AMERICAN FOLK BLUES FESTIVAL VOLUME ONE』、『THE AMERICAN FOLK BLUES FESTIVAL VOLUME TWO』には収められていなかった。
イギリスで購入した山高帽を被るサニー・ボーイの映像は1964年にスウェーデンで撮影されたものである。彼はここで「Who's Gonna Take Care Of You」と(1963年11月22日にダラスで暗殺された)ケネディ元大統領に捧げた即興曲「It's Raining Outdoors, Baby」、ステージのクロージングにたびたび取り上げた「Have You Enjoyed Me Play」の3曲を披露、最後の2曲は間断なく演奏されている。

追記:このDVDには2種の特典映像が追加された。そのひとつはベッシー・スミスのレパートリーとして有名な「Careless Love」を歌うメイ・マーサーのバックでサニー・ボーイ・ウィリアムスンが演奏した際の記録である。当時、パリのブルース・バーの若きオーナーだったマーサーは、その後、女優に転身、クリント・イーストウッドの主演作『DIRTY HARRY』、『BEGUILED(白い肌の異常な夜)』、ニューオリンズの売春宿を舞台にしたルイ・マル監督の問題作『PRETTY BABY』、テレビ・ドラマ『THE SHIELD』などに出演している。もうひとつの特典映像は1960年のニューポート・フェスティヴァルにおけるピアニスト、オーティス・スパンのパフォーマンスで、マディ・ウォーターズ・バンドの力強い演奏をバックにした3曲のインストゥルメンタル・ナンバー――「Boogie Woogie Blues」、「Slow, Sweet Blues」、WCハンディの「ST. Louis Blues」――を楽しめる。


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