るーべんの音楽日記
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2004/07/20(火) 『A Story Ended』
ディック・ヘクストール=スミスの最初のソロ・アルバム『A Story Ended』(1972年)がボーナス・トラック追加のリマスターでリイシューされました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00025OHU2/

と書いても、「誰それ?」「知らねえよ」という人がほとんどでしょうねぇ。あの『英国ロックの深い森』にすら載ってないアルバムですし。

ヘクストール=スミスはコラシアムのサックス奏者。
アレクシス・コーナーやグレアム・ボンドのバンドを経て、ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズの『Bare Wires』(1968年)に参加(ちなみにこの時期のブルースブレイカーズのギタリストはミック・テイラー)。やはりそこに参加していた、ジョン・ハイズマン(ds)、トニー・リーヴス(b)と共に結成したジャズ・ロック・グループがコラシアム。

当時の英ロック界のサックス奏者というと、このヘクストール=スミス、トラフィックのクリス・ウッド、マーク・アーモンドのジョニー・アーモンドなどが有名ですが、ヘクストール=スミスの評価となると、ヘタすぎてどうにも評価しようのない(^^;クリス・ウッドほど酷くはないものの、技術的にはまずまずだけど、如何せん歌心がないと、中村とうよう氏なんかボロクソに貶してました。(笑)

それについては、私も同感ではあるんですが、コラシアムというグループについては結構好きで、『ヴァレンタイン組曲』(1969年)や『コラシアム・ライヴ』(1971年)はかなりよく聴いていたアルバム。
そんなこともあり、コラシアム解散後に出た、この『A Story Ended』も躊躇わずに買いました。
当時は国内盤が出ていて、邦題は『ひとつの話が終わった』(そのまんまだ ^^;)だったはずです。

参加メンバーは、コラシアムやピート・ブラウン周辺の英ジャズ・ロック系凄腕ミュージシャンたち。
オリジナル盤収録曲の6曲中5曲は、エルトン・ジョン〜フックフットのケイレブ・クウェイ(g)、バタード・オーナメンツ/ピート・ブラウン&ピブロクト!のロブ・テイト(ds)、ジューシー・ルーシー〜テンペストのポール・ウィリアムズ(vo)(同姓同名が多くて紛らわしい ^^;)などを中心とした演奏で、これらもかなり良い出来なんだけど、何と言っても圧巻は、アナログLPではB面一曲目だった、11分の“海賊の夢(The Pirate's Dream)”。

ここでは、デイヴ・クレムスン(g)を除く、絶頂期のコラシアムのメンバーが再結集。
ジョン・ハイズマン(ds)、マーク・クラーク(b)、クリス・ファーロウ(vo)、デイヴ・グリーンスレイド(kbd)に、グレアム・ボンド(kbd)を加え、さらにクレムスンに替わり、ギターを弾くのは達人クリス・スペディング。
名義こそヘクストール=スミスになってますが、このトラックは実質コラシアムの演奏と言ってもいいものになっています。それも彼らの最高傑作。

聴きどころは中盤のヘクストール=スミスのサックスとスペディングのギターによるタイム感ドンピシャのユニゾン・プレイですが、冒頭からエンディングまで緻密に構成された楽曲、気合いの入ったファーロウのヴォーカル、難易度の高いキメを楽々とこなす超テク演奏に、ブッたまげること請け合い。
個人的には、このトラックだけで★★★★☆を付けたいアルバム。英ジャズ・ロック最良の成果の一つでしょう。


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