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2008/06/01(日)
地球の裏側をのぞく「巨大望遠鏡」出現
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Houstonの天気(33℃/23℃) ----------------------- 【サイエンス】地球の裏側をのぞく「巨大望遠鏡」、ロンドンとNYに出現
ロンドンとニューヨークを双方からリアルタイムで見ることができる「テレクトロスコープ」ロンドン(CNN)
当地のテムズ川沿いとニューヨーク・ブルックリン橋のわきに、地面を突き破って顔を出したかのような巨大な円筒が同時に出現した。のぞき込めば数千キロの距離を隔てた互いの風景が見える、望遠鏡のようなオブジェだ。
「テレクトロスコープ」と名付けられた2つのオブジェは、それぞれ長さ11・2メートル、高さ3・3メートルという大きさ。英国のアーティスト、ポール・セント・ジョージ氏が発案し、イタリアの大手インターネットプロバイダー、ティスカリの技術協力で実現した。
テレクトロスコープのウェブサイトには、セント・ジョージ氏の曽祖父が19世紀末、レンズと鏡を駆使した巨大望遠鏡の製作を思い立ち、両都市を結ぶ「秘密の海底トンネル」工事に着手した経緯が紹介されている。同氏が屋根裏部屋で当時の資料を発見し、曽祖父の遺志を継いでトンネル開通にこぎ着けた――となっているが、これは架空のストーリー。実際には、高速大容量のネット回線とハイビジョンカメラを利用して、風景をスクリーンに映し出す仕組みになっている。
「子ども時代にはだれもが、『地球の裏側まで届く穴』を掘ってみたい、と空想するものだ」と、セント・ジョーンズ氏は語る。「ただ、実際にやってみようとするほどの物好きは、私くらいかもしれない」
同氏によれば、構想が生まれたのは5年ほど前。「独力では無理」との考えから、2年前にアートイベントなどをプロデュースする英アーティチョーク社にアイデアを持ち込んだ。同社はすぐに協力を申し出たという。
テムズ川のほとりが朝を迎えるころ、ニューヨークはまだ真夜中。スクリーンをのぞいても、マンハッタンの街を背景に静まり返った歩道が見えるばかり――と、その時、なにやら動く影が。偶然通りかかったのは、警官と街路清掃員。2人はテレクトロスコープの前で立ち止まり、こちら側に向かって手を振ってみせた。
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