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2006/09/29(金)
ダ・ビンチの「モナリザ」は出産直後?
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----------------------- 【サイエンス】 ダ・ビンチの「モナリザ」は出産直後?ボンネットを被っている
パリ――フランス美術館修復センター(C2RMF)は26日、イタリアの巨匠、レオナルド・ダ・ビンチが16世紀に描いた肖像画「モナリザ」について、カナダ国立研究所(NRC)の3次元スキャナー技術を用いた調査を実施し、モデルとなった女性は出産直後であった可能性が高いなどの結果を発表した。
NRCの科学者は、特殊な赤外線と3次元スキャナー技術を用いて、これまで未解明だった「モナリザ」のキャンバス板の状態や絵の具の層の厚さなどについて調査した。
C2RMFのモティン学芸員は、この調査で「モナリザ」が着ているドレスに、薄く透明なガーゼ状のベールがかかっていることが初めて分かった、と述べた。これは当時、妊娠中か出産直後の女性特有の服装であることから、この絵のモデルとされるフィレンツェの富豪、フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻、リザ・ゲラルディーニが、次男を出産した記念にこの絵が描かれた可能性が高まり、制作時期を1503年前後に絞り込む手掛かりとなったという。
また、「モナリザ」は髪をたらしているように見えるが、実際にはボンネットを被っていたことも分かった。
「モナリザ」の保存状態については、絵が描かれているポプラの板は温度変化の影響を受けやすいが、今のまま管理、維持できれば、劣化の危険性はないという。また、絵の上部に確認された12センチ大の割れ目は、最初の額ぶちから外された時にできたとされ、18世紀中ごろに修復されて、状態は安定しているという。細かい亀裂からは、塗り重ねられた絵の具の層がキャンバス板から浮き上がっていないことも判明した。
しかし、ダ・ビンチが用いた、色を微妙にぼかして薄く描く「スフマート技法」の詳細については、独特の技術であり、今後も解明の余地が残るという。
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