|
2004/03/31(水)
ビタミン・ミネラル不足が知能に悪影響
|
|
|
Houstonの天気(30℃/17℃) ----------------------- 【サイエンス】ビタミン・ミネラル不足が知能に悪影響
国連本部(AP) ビタミンやミネラルの摂取が不足すると知能の発達に悪影響を及ぼし、国家にとっては経済的損失にもつながるとの研究結果を、このほど国連児童基金(ユニセフ=UNICEF)が発表した。各国の政府に、栄養強化食品の活用などを呼びかけている。
途上国80カ国の栄養摂取状況を調査した。それによると、食物に含まれる微量栄養素のうち、鉄分とビタミンAについては、十分に摂取している人が全体の6割にとどまった。
鉄分の摂取が足りない子どもたちは、知能指数(IQ)が平均5〜7ポイント低いことが明らかになったという。鉄分の欠乏は大人でも目立ち、特にひどい国では、国内総生産(GDP)を2%も引き下げているとみられる。
海藻などに含まれるヨウ素の摂取量もほとんどの国で不足し、国全体の知的能力を10〜15%低下させる結果を招いている。ヨウ素不足が原因で知的障害を持って生まれてくる赤ちゃんは、年間1800万人に上るという。
ビタミンB群の1つで野菜などに含まれる葉酸も、不足しがちな栄養素だ。胎児の発育に不可欠とされるが、調査によれば、対象国全体で年間約20万人の赤ちゃんに、葉酸欠乏による先天性異常がみられる。
ユニセフは調査報告の中で、鉄分を加えた食塩やビタミンA強化の油などを途上国に普及させ、不足を補うことを提案している。ただ、こうした国の食生活は米やとうもろこしの自給自足型が中心。食品の多くを大規模な工場で加工する先進国とは事情が違い、対策を進めにくいのが実情だ。
|
|
|