〜花抜坂中納言日記〜
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最新の絵日記ダイジェスト
2007/08/01 モノを知らない。
2007/05/04 とりとめもなし。
2007/05/03 大型連休。
2007/04/30 3タテ。
2007/04/29 紀尾井ホール。

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2005/03/27(日) 落語馬鹿。
 後輩の落語会に遊びに行く。その名も『落語馬花』、馬吉と初花の会で『落語馬花』
 そう、オレたちは落語馬鹿なのだ。そして最近想うのだが、落語しか生きる術を知らない不器用な人間なのだ。
 それが藝人。
 藝があるから藝人ではない、藝しかないから藝人なんだ。

 熱く、不器用に生きるのは決してカッコワルイことなんかじゃない。

2005/03/26(土) 雑俳。
 司です。

 どうやら、風邪をひいた。
 春の風邪だ。歳時記にも季語として入っている。「春の風邪は、ぐずぐずと治らない。」とある。

 行く人を
 惜しむかのよう
 春の風邪

 アハハハハ、とんだ『雑俳』。

2005/03/25(金) 道行。
 夏目漱石が教員時代『I love you』の意味を問われて『月がとっても蒼いから』と訳したというのは、いささか寓話的なエピソードではあるが、なるほど日本男児は決して「愛してる」とは言わないのだ。

 雨上がりキレイな月が出ていた。
 もちろん『月がとっても蒼いから』なんて、気障な誘い方などはしなかったが、ふたりそぞろ歩いて帰った。

 月明りから朝焼けにかわる、ほんの束の間の道行であった。

2005/03/24(木) I can not
 口説けない女がいるとは思わなかった…。

 口説き落とせない、と云うのはままある。
 とりあえず、礼儀としてキレイなひとは口説いてみるので、そんなことは始終ある、日常チャハンジ。ところが、だ…口説くこと自体出来ないのである。
 朝まで一緒にいても、なにひとつない。キスはおろか手も握れない。それも一度切りじゃないのだ。情けないのを通り越して自分で自分がわからなくなる、中学生の恋愛のようなのだ。
 一生懸命唄ってる横顔を見詰めながらそんなことを考えタメ息をついたら、振り向き様目が合ってドキッとした。この人は一体なんなのだろう?

 世の中に、口説けない女がいるとは思わなかった…。

2005/03/20(日) 稽古。
 継続的飲酒のせいもあって、許容酒量が極端に減った。つまり、すぐ酔いがまわるのだ。

 これがオンナノコと一緒だったりすると、最近は酒量のコントロールが出来るのだが、芸人同士や友人と一緒となると、やはりバカになるまで飲んでしまう。そんな自分も好きなのだ…むしろ、酒量をコントロールする自分なんか好きじゃあない。

 とは言いつつ、この酔うコトにだらしない性格のせいで、様々なものを失ってきた、記憶、金、鞄、恋愛、信用…こうやって挙げると枚挙に暇がない、我がコトながら立派というか、情けないというか。

 お酒と自分のタメにもめりはりのある飲み方をしている。そのせいで、とっくの昔、前座になったとき止めた、そして医者に止められている煙草を喫むようになってしまった。
、どーも間が保たないのだ。

 とにかく、酒を逆恨みするようなことがないように飲む稽古をしている真っ最中なのだ。

2005/03/17(木) ほろ酔い。
 早朝、蒲田から家まで歩く。
 ほろ酔い加減に春の香りがする風が心地好い。そして、桜の花咲くころ「サヨナラ」と言わなきゃいけないひとのことを想って歩いていた。
 彼女との一分一秒、一言一言を忘れないように『ほろ酔い』で止まるようにもなった。酔ってなくてもダレないところをみると、やっぱり本気だったのかも知れない。

 そうして、ふらふら歩いていると都都逸が口をついて出た。

「この酒を
 とめちゃいやだよ
 呑ませておくれ
 まさか素面じゃ
 言われない」

 歩くにはだいぶあったが、何を自分が「素面じゃ言われない」のか考えるには充分の道程だった。

2005/03/16(水) スタイル。
 明け方どころか朝8時近くまで風車とクダラン話。まぁそう言ってしまうと全て下らないのだが…。
 風車が話しかけてくるのを無視するように寝る。

 15時ごろ、ダラダラ起きる。
 売れない芸人そのままの暮らしではないか…。
 そういや、遠い東京の帝国ホテルというところじゃ、九代正藏襲名披露パーティーをやっているそうな…遠い遠いところのことをふと考えて、湯呑に焼酎を注ぐ。

2005/03/15(火) ひたすら熱心に。
 昨夜着ていた、着物と袴が脱いだままの姿で放置してあるのを、アルコールの入った重いアタマで確認した。
 片付けやら、掃除をして、部屋の長火鉢に炭をおこしたところで(鈴々舎)風車の来訪。
 今手掛けている噺を聞いて欲しいのだと言う。ボクらは時折このような稽古会をするのだ。

 奴がお茶を飲み、ボクは湯飲みに注いだ迎酒。宿酔いにはこれでげす。
 愚痴やら下らない話、悪口?など長々喋ってるばかりでなかなか稽古にならない。
 やっとのことで二席聞いたが、いやぁ彼はアベレージヒッターだ。噺に迷いがない。刺激になる稽古。

 その夜も酒を飲みながら、鷄鳴暁を告げ、空が白むまで1割の芸論と9割の色懺悔に時を費やしたのだった。

2005/03/14(月) 饗宴。
 日本酒をググッと飲み、勢いづいたところで六本木へ…四軒。司はもう飲めません…。
 付き合ってくれた後輩が気の毒だが、まぁこんな日もある。とても、とても素面じゃいらんない、そんな日々。

 下着のおねぇちゃんがいる店、歌い手がいる店、おかまがいる店、ふつーの店、とにかく飲みました、酔いました。

2005/03/12(土) 青春燃ゆる、命は躍る。
 蒲田で打ち合わせ。
 夜な夜な彷徨している街を昼間歩くのは気恥ずかしい、街はまるで違った一面を見せている。
 それにしたって猥雑な街だ、蒲田というのは。
 ここにいると普段ボクを支配している寂寥感を一時だが忘れさせてくれるなにかがある。
 この街で落語を演るのはボクにとって少しだけ特別なことだ。

 胸に蒲田行進曲の発車ベルを鳴らし、三遊亭司は今日もゆく。

3月絵日記の続き


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