〜花抜坂中納言日記〜
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最新の絵日記ダイジェスト
2007/08/01 モノを知らない。
2007/05/04 とりとめもなし。
2007/05/03 大型連休。
2007/04/30 3タテ。
2007/04/29 紀尾井ホール。

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2004/01/31(土) 東海道線の車窓、夢現なり。
 1月も最終日、今年もまだ十一ヶ月もある。出来ることも、やるべきことも山ほどあったりする芸能生活6年目の司だ。
 晴れた今日は、所用で湯河原へ。往復ともに東海道線のグリーン車に乗せていただく。なんたってボクぐらいになればグリーン車だ…なんてワケではなく、東海道線のグリーンはかなりお得なのだ。
 横浜駅を過ぎたあたりから朝一の缶ビールのせいか瞼が重くなってくる。睡魔に逆らう理由もないのでうららかな陽光のなかうたた寝。ところがガキの…イヤ、乗り合わせたお子様の、無邪気なジャンケン・ゲームのせいで起こされる。不機嫌なり。
 熱海に寄りMOA美術館で尾形光琳の紅白梅図屏風(毎年2月のみ公開)など国宝や重要文化財に触れる。贅沢で幸せな午後のひと時を過ごす。
 17時過ぎの熱海発の東海道線で帰郷。駅で買った「籠清」のつまみ揚げなどを肴に、眼下に広がる相模湾を見ながらビールを飲む。その後はまた夢を見ながら寝てしまった。

 ふぉと・車内にて
 

2004/01/29(木) 断水生活と誘導員。
 体調が思わしくない、理由は解っているだろうから敢えて述べない。みなさんが、どうせ何時もの…とアタマに浮かんだそれである。
 ここのところ、遅くに帰ってくると不便な事に断水している。水がないと水洗トイレはマヌケなもんだと思う。そればかりか、真夜中の工事の音に安眠を妨げられている。こうしている今も重低音と僅かな振動が絶え間なく続いている。朝6時まで続く。
 家の前の道が通行止めになっているのだが、車で帰宅しようとすると必ず同じ交通誘導員のおじさんが、不思議そうな顔で通せんぼしている。いいかげん覚えろよ、毎日通ってるじゃん…と、車庫入れする時ブツブツ呟いている。
 全くのヨタロウだ。道路工事の誘導員には何時も頭に来ることばかりだ。状況判断が出来ない。
 お解りのとおり、書いているうちに段々とイライラしてきている。
 そんな事より、断水で風呂が使えなくなったらもっとイライラしそうだから、髪でも洗ってくる。
 断っておくが、仕事がないからイライラしている訳ではない。
 ホントにホント。

ふぉと・池上にある朝日堂のお好み焼き。ここのお母さんが焼くお好み焼きは、他じゃあ食べた事がない感覚。元は岡山にあった名店。

2004/01/26(月) 空白の一週間。
 一週間ぶりのご無沙汰となった。何度か愉しみに覗いてくださった方には申し訳ない。カラダとアタマが言うことを聞かない一週間だった。あっという間であり、何をしていたのだろう?という一週間でもあった。そんな一週間を述べさしていただく。
 20日新宿末廣亭千秋楽の打ち上げ。お蕎麦を頂く。帰りにひとり居酒屋へ。
 21日品川区荏原の法人会賀詞交歓会。様々な業種の方とお話しできました。目黒雅叙園で立食パ−ティーのあと、寿司屋で酩酊。
 22日二日酔いからくる頭痛。一日休み。変に昼間寝ていたせいか、翌23日の昼まで眠られず、正午タモリの登場とともに就寝。
 23日夕方起床。友人の海くんと、石川台の蕎麦屋「福太郎」で蕎麦をたぐり、小中学生の時間をを共にした友人らと新年会。(スペシャルサンクス・後田さん)女の子が多数出席、みんなキレイになっていた、と…建前上言っておく。大人の事情だ。二次会、四時ごろまで。その後、友人宅で飲み直し早朝未明就寝。
 24日ヒル過ぎ、友人が仕事から帰宅、もう一人泊まった友人と三人で昼食。蒲田東口の中華料理屋であろう事か、昼からビールに紹興酒。
 25、26日と完全休養。
 何かが間違っていることは薄々気がついている。

2004/01/19(月) 例によって、何もない一日。
 雪が積もらないでガッカリだ。言っていたホドでもなかった。
 雪が積もったら、ユキダルマをつくろうと思っていたのに、残念だ。する事もないし、行くところもないボクには、多少の交通機関の麻痺なんぞ下界の喧騒のように遠い。
 羽田空港や、列車のなかで足止めを喰って夜を越さなければならないような人をみるのが好きだ。ボクには関係ないからだ。
 きまって記者が「どちらまでのご予定?」とやる。
 ああいう光景は、何十年と恒久に繰り返される。カメラを前にした一般市民は、いつか見たそんな映像をもとに演技に入る。殺人犯の隣人しかり、凶悪事件の目撃者しかり。
 みんながみんな、お約束の演技をする。滑稽というかなんというか、気の効いたコメントが聞きたい。
 せめて、円楽師匠が死ぬほど(わざとらしくても)大笑いをするような、そんなコメントが聞きたい。
 大事件、大事故のたんびボクは待っている。

 ふぉと・二子玉川から渋谷方面をみる。R246が交錯している。本文とは全く関係ない。

2004/01/17(土) おでんの夜。(仮題)
 雪が降っています、積もるほどではなさそうですが。
 暖かい冬だと思っていましたが、ここのところ、ちゃんと寒い冬ですね。こんな晩、雪見酒なんてぇのもいいでしょうが、家でのお酒を断っておりまして。
 「呑めるやつは、たまらねぇなぁ」とは、落語の名作「芝浜」のフレーズですが。主人公・勝五郎の台詞を呟いたりなんぞして、口寂しいのを紛らわしておりますがね。
 うぅ、寒い。それにしても寒いです。燗をつけて一杯なんてのもいいんですが…あらら、いけねぇ、お酒からアタマが離れないなぁ。
 寒いにつけ、暑いにつけ一杯やろうなんてぇのが酒飲みでして…これじゃあ「鰻屋」のマクラそのまんまだな、ま、いいや。
 そろそろ、終わらせたいんだけどまとまらないな、とにかくボクの言いたいのは、寒いから風邪などをお召しに成らないように、ご自愛のホドを、ということです。
 って、なんだかなぁ…。

 ふぉと、今夜はおでん。

2004/01/16(金) 噺家の着物。
 正月の男のキモノ姿が、今年は目立った。どうせ着るならもう少しカッコよくきていただきたい。あなたのキモノ、裾丈が短過ぎちゃいませんか?何か、変よ。カノジョに「落語家みたい」って言われちゃうわよ。
 キモノも当然、洋服同様奥が深い。
 羽織、着物、長襦袢、半襟、足袋、帯、雪駄、外套、手拭いなどなど。
 特に、着物は見えないところや、ちょっとしたところにセンスが問われる。例えば、襦袢。きものの下に着てしまう襦袢だが、袖口からちょっと覗くコトを考えたりしてあわせてみる。襦袢の背中に描かれた絵や書なんか、自己満足の域でしかないがそういうところに凝る。
 羽織の紐や、羽織裏なんて小物も重要。
 羽織の紐もそれぞれで、羽織と同系色でまとめるか、対極をもってくるかは好き好き、決まりはない。
 羽織裏も、脱いだ時何気なく見えることを意識したり、と。
 中には、まあ着物に無頓着な噺家もいるが。高座の着物の目をやるのも面白い、どんな着物でどんな噺をするか。けっこう落語家はそんなところまで考えたりしている。

 ふぉと・羽織裏は縁起物が用いられることも多い。紐は池之端の老舗「道明」の物で、銘は「法隆寺」
 

2004/01/15(木) 星の王子さま。
 芥川賞の受賞者の最年少記録が更新されたという話。
 ジュウクとハタチの女のコの二作品の受賞が発表された。十代は感性や感受性の最も豊で優れた時期であると思う、それに表現力が伴えば説得力は充分にあると思う。したがって、この受賞に別段驚きもない。
 ボクも迷うと、その頃のことを考えてみる。幸い、そんなに昔ではないので、思い出せないこともない。
 芸術や芸能に純粋さは必要不可欠だ。純粋さから、心の声は生まれるハズだから。
 
 ふぉと・「星の王子さま」小さな星の王子様と遭難したパイロットの交流を書く、大人の童話。まさにそんな純粋さを象徴するような作品。ボクの枕もとに置いてあるバイブル。このようなピュアな作品が書ける大人もいる。
 落語というおとぎ話を喋っている以上、そういう気持ちは忘れたくない。

2004/01/14(水) 04年初打ち。
 強い北風を受けながら、大宮競輪へ。
 寒さのため有料のバックスタンド特別観覧席での観戦となった。
 そして帰り道は、来る時よりももっと寒い事になる。通称オケラ街道を、グレーのおじさんたちに混じってゾロゾロ駅まで続く。
 負けた日には、北風がよく似合っている。
 一瞬の勝敗に、ギャンブルの快感がある。なんて書くと病気みたいだが、ほんの何分のスリルといったら筆舌しがたい。やはり快感という言葉がピタリと来る。
 だから大穴ばかり狙う、小博打はそれなりの面白さしかない。
 やはり病気だ。こんなことを長々と書いている。
 きっと、お読みくださってる方々は「そんな事より稽古でもしたら」と思いのことだろう。
 ボクも、そう思う。
 
 ふぉと・大宮のキタナイ路地裏。蒲田というスラム街で育ったが、京浜東北沿線は同じ匂いがする。午前中の繁華街は夢の残骸・廃墟といった面持ちだ。どこも、やけに臆病で目つきの悪い野良猫がいたりする。

2004/01/12(月) 成人の日に寄せる。
 成人式。
 何年か前から一月の第二月曜になった。ボクの時はまだ15日だったハズだ。会場となった大田体育館には入らないで、その周りにたむろしていた。例外ではなく、そんなヤツらで近辺はいっぱいであった。
 既に前座修業で楽屋に入っていたボクは、寄席をサボった。なんたって寄席は毎日ある。ま、言い訳にはほど遠いが。
 荒れた成人式と言われるは昨今のコト、ボクラの時分にはそんな印象はない。また今年も逮捕者がでたそうな。そんなに鬱憤が溜まるほどの世の中でもあるまいに。もっともボクはその世の中というものを甘く見ている節がないわけでもない。否、ある。それが証拠に、いま不遇の時代をむかえている、ツケが来た。遊んでばかりいたキリギリスの心境だ。
 成人式から幾年、自分は全く変わらずふざけてばかりの生き方をしているなと、勤め人である同級生たちと話していて思う、でもボクは彼らみたいに勤勉で忠実なアリには到底なれない、なりたくもない。それは反省でもあり誇りだ。
 新成人は何故荒れるのか?
 大人になりたくないからなのか?
 じゃあ、ならなきゃいいじゃん。それだけのコトじゃん。
 それとも変わらない自信がないのかもしれない…甘ったれるなよ。
 荒れたいのは、暴れたいのは、爆発したいのは、むしろ大人たちじゃないのかなぁ、とオトナでもコドモでもないボクは、そう思う。
 成人式の日に寄せる。
 ああやって、集団でしか騒げないやつは、結婚して子供をふたりぐらいこさえて、マイホームパパになるのがお似合いだ。
 甚だ簡単でありますが、慶びのコトバにかえて…。
 
 

2004/01/11(日) 短編集とギネスの泡。
 大師匠・三遊亭円歌がトリを勤める新宿末廣亭へ初日のご挨拶。連休の谷間と言うことで、二階席まで開く大盛況ぶり。(ここの二階はなかなか開かない、小田急線の踏み切りよりも開かない…)大入りを頂きました。
 初日恒例、魔の…否、愉快な愉快な打ち上げがあると覚悟していったものの、円歌師匠は後があるらしく打ち上げはなし。思いもかけず時間が出来たので新宿をブラブラと。洋服、キモノをみたり。紀伊国屋で本を物色したりと。
 普段だったら、寂しがり屋で、独りで食事をするなど皆無に等しいのだが、妙に疲れていて、誰も誘う気にもなれずに、アイリッシュ・パブでギネスを飲みつつ、買ったばかりの森遥子の短編集の世界に入り込み、軽く酔っていくのを感じていました。

 ふぉと・シンジュクの歩行者天国。

1月絵日記の続き


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