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2006/08/11(金)
「エミリー・ローズ」(ネタバレあり)
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19才の大学生エミリー・ローズは、午前3時に焦げ臭い悪臭と共に目を覚ました。突然の原因不明の激しい痙攣と恐ろしい幻覚。次第に悪化していく症状は、自分に何かが取り愚いているからだと確信したエミリーは、自らの運命を1人の神父に託す。しかし神父による「悪魔祓い」は失敗に終わり、エミリーは命を落としてしまう。殺人罪で逮捕された神父の弁護士エリンは、あるテープを証拠品として裁判に提出した。神父に下された衝撃の判決とは…。彼女の命を奪ったのは「病気」だったのか?それとも「悪魔」は本当に存在していたのか?彼女の死は何を伝えようとしたのか? 元ネタのドイツの事件(Anneliese Michel事件)は、死んだ女の子は病気だったとして神父と両親が有罪になってます。全体は法廷劇で、それにホラー&オカルトが加わり、バックグラウンドはキリスト教(カトリック)という一見詰め込まれた風な作品だけど、別に難しくはないです。新鮮だったのは、この作品中で「やっぱり悪魔はいたんだ!」とか「やっぱり病気でした」とか白黒ハッキリしてなくて、それがリアリティあって怖くて、でも何だか誠実で、そういうグレーな結末が米映画にしては珍しいという所でした。 私は何の信仰もないし、超常現象も全く信じません(常々思ってるけど、むしろ見てみたい)だいたい幽霊の存在にしたって、もしいるとしても怖いより不愉快なだけですけどね。だって例えば自分が殺人鬼で、その被害者から呪われるなら当然だけど、何もしてなく関係もないのに何でやねん?と毎回思います。13金のジェイソンにしたって貞子にしたってお門違いだよと(笑)むしろ何を幽霊の分際で人間様の家に勝手に入り込んでるんだ、コラァ!です。聖母マリアに会ったエミリーには「理不尽なマリアにキレろよ!」と迷わず突っ込みました。 でもエミリーも神父も、こんな考えとは真逆の「良い人過ぎ」です。恐ろしい姿で発狂する彼女から離れていかなかった彼氏からしても、いかに普段のエミリーが素晴らしい子だったか解かるし(←あのベッドの下や祭壇での姿を見たら、その辺のヤワな若者だったら普通は百年の恋も冷める。冷めなかった彼氏に乾杯)エミリーは正にキリストです。この劇中に限ってなら、悪魔はいたんだと思います。そしてラストのエリン弁護士の「同じ信念を持てとは言いません。彼(神父)という人を信じて欲しいのです」って言葉が凄く印象的で、凄く共感しました。 それにしてもエミリー役の女優さん、大熱演でした。ちなみにマリア様に会うシーンでは突っ込みながらも泣いてました、私(笑)もう可哀相で…エミリーが。頑張ったね、よくやったよ、エミリー…と。 ビデオを止めて現実に戻ると、やっぱり「悪魔?フッ…バカ言ってんじゃないよ」なんですが(笑)
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