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2005/09/01(木)
癖になって20年「博士の異常な愛情」
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『総統、歩けます!』 ♪また会いましょう どこかも知らず いつかも分からないけれど きっとまた会えるでしょう……
この、あまりにも傑作で有名なラストシーン。巨大なキノコ雲をバックに流れるヴェラ・リンの甘く優しい歌声。映画史上で今でも語り継がれるスタンリー・キューブリック作のブラックコメディの最高傑作である。 D嵐で我らが智くんが博士になっていた30分後、同局の深夜映画枠で放送された。また観てしまった。やってれば観てしまう作品なのだ。これを初めて観たのは中学生の時。それから何度となく観たけど、私がこの物語をようやく理解できたのは成人してからだ(笑)でも、それまでも意味が解からなくても、あのラストシーンは初回から鮮烈に残っていた。今更説明の必要もない作品だけど、やっぱりここに来られる方の主な一般層には馴染みが少ないでしょうか。物語は以下の通り。 「ソ連が最終兵器を開発した」という不気味な噂が流れていた。その名も“皆殺し兵器”。それは、核攻撃されれば自動的に核で反撃するという装置だった。ある日、米軍司令官がソ連核基地の爆撃指令を発した。司令官の狂気を知った副官は彼を止めようとするが、逆に監禁されてしまう。米大統領はソ連と連絡を取って、事態の収拾を図る。しかし迎撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してしまう。しかしミサイルの弾倉庫の扉が故障で開かず、その機に乗っていたコング大佐が自ら弾倉庫に入ってミサイルの上にまたがり故障箇所を修理した。直った瞬間、弾倉庫の扉が開き、コング大佐を乗せたままミサイルは発射され、ソ連の基地に巨大なキノコ雲が立ち上がった。その頃ペンタゴンでは、ある事でストレンジラブ博士が狂気の熱弁をふるっていた。あまりの白熱に我を忘れて何時の間にか、両足が不自由な筈のストレンジラブ博士は車椅子から立ち上がり、歩いた。周りがポカンと見守る中、ぜんしんぜんれーで博士が叫ぶ…「総統、歩けます!」 ストーリーだけ書いてもサッパリですね(笑)やっぱり実際に観賞してみないと、この面白さは伝わらないです。とにかくこのラストシーンを初めて観た時は大爆笑でした。そしてストレンジラブ博士が面白くて、素晴らしくキモくて(笑)たった一人の気が狂った軍人の行動が世界の破滅に繋がるという世にも恐ろしい内容を皮肉タップリに笑い飛ばす絶妙さが解かるようになってからも、相変わらずこのラストでは普通に笑ってしまいます。 ストレンジラブ博士を演じるピーター・セラーズという俳優さんが実に良い。動き、表情、全てが最高です。ちなみに最初チャップリンかと思ってました(←馬鹿)彼は劇中で、英空軍大佐とアメリカ大統領、そしてこの博士の3役やってます。これも後になって知りました。器用な俳優さんです。 正式な題は『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』…この土曜ワイド劇場並みの長いサブタイトルも良い味出してます。
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