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2006/12/02(土)
師走ですよ
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12月1日
寒い朝。
車から降りた僕は、傘もささずに早足で会社に向かう。
出社時間には若干余裕があるが、雨のため早足で会社に向かう。
社員の駐車場は会社から約200メートル。
早足であれば小雨程度なら、さほど気にならない。
後ろからも傘を忘れたのか、早足で歩くヒールの音が響く。
僕と同じように、雨に濡れまいと急いでいるようだ。
急に雨と足音がやんだ。
「濡れてますよ」
優しい声で話し掛けたその子は、差していた傘の半分を僕に与えてくれた。
あまり話したことはない別部局の子。
僕は困惑した。
「大丈夫です」
と一段と早足で歩き出した僕。
基本的に傘をさすのが下手だ。
傘さすのに上手下手あるのかわからないが、なぜかさしても濡れてしまう。
だからあまり傘はささない。
今日のような小雨ならまずささない。
まして相合傘なら、なおさらだ。
相手との歩調を合わせるのが、至極苦手だ。
一人でも濡れるのに。
そんなくらいなら駆け足で目的地に向かったほうがいい。
‥ ‥
とかなんとか言うものの、単に照れくさかっただけだ。
でも、気づかいを無視できるほどの勇気もなかった。
その子は傘が無くて急いでいたんじゃない。
雨に濡れていた僕を憐れに思って、早足で僕に追いついて、僕に傘を手向けてくれたんだ。
僕は立ち止まって、振り返り、他愛も無い世間話を問いかけながら、その子を待った。
並んで歩いているのに、傘から避ける僕。
それに困惑しながらも、会話に付き合うその子。
不自然な状況、会社まで長い長い100m。
会社に到着。
「ありがとう。」
声が大きくなったのは、開放感からか。
改めてその子の気づかいに感謝する気持ちと同時に、ふがいない自分への嫌悪感がこみ上げてきた。
突っ張っていた20代から、落ち着きを取り戻してきた30代。
小さい頃は人見知りの激しい子だったと思う。
大勢の子供が集まる公園や遊園地は嫌いだった。
ボールプールには憧れていたが、他の子とのテリトリーが守られていないので、絶対入らなかったような子だった。
そばに弟の英ちゃんがいて、一緒遊んでいたらそれで良かったからかも知れない。
だから、10代後半から20代あたりでは自分を変えるべく積極的になろうと頑張っていた自分がいた。
音楽を媒体にして、自分を表現することの楽しさも覚えた。
そして30代になった。
最近、少し突っ張ることをやめた。
立ち止まってみて、本来の自分が回帰して来たのかもしれないと思った。
「照れ」を覚えることだって恥ずかしいことじゃない。
でも大人としての対応は、まだまだ未熟な点が多すぎるんだ。
32歳。
これからが、本当の自分との勝負。
自分を信じて。
さー師走だぜ、べぇべぇ。ごう♪
これも自分との勝負。やめられなんだな、これが。 ↓ ↓ ↓ ↓
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