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2003/09/19(金)
季節はずれの‥
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突然ですが、みなさんは「霊」を信じますか?
私は信じません。怖いんで。
でも信じかけた大阪時代の話。
オールディーズバンドのギタリストをしていた私に、名古屋での仕事の話が舞い込んできた。 オファーがきたのは私とボーカルの2人。
渡された譜面もさほど難しそうでもない。 ギャラもいい。 他のメンバーとは初対面なんで不安もあったが、大阪、神戸以外で活動したことも無いし「これも一つの勉強」と思い、引き受けることにした。
名古屋へは車2台で移動。
リーダーさんの車に乗せてもらった私とボーカルは若干緊張気味ながら会話を進めていった。
「ごう君はどんな音楽すきなの?」 「はぁ、ロックンロールとか…」
「若いなぁ、今いくつ?」 「はぁ、21です」
みたいな他愛も無い会話を続けていた時、突然リーダーは切り出した。
「あはは、そっか。っていうかさっきからごう君のとなりに霊が乗り込んでるんだけど」 「は、はぁ!?」
この人何言い出すんだろうか?いきなり霊って… いや、緊張ほぐすための冗談かもしれん。 もしくは秋田出身の私に関西流ボケツッコミを試しているのかもしれん。 よし、ここは受けて立とう。
「なにゆうてますのん、オバケちゃいまっせ。うちのボーカルの●●さんですやん。」 「いや、そっちじゃなくて、ごう君の左側。」
あかん‥。この人ほんまもんですわ。素で言ってますわ。 でもお仕事もらったバンドさんのリーダー。 とりあえず会話を合わせよう。
「マジっすか!? どうしたらいいっすかね?」 「ごう君のことが気にいったみたいで、ずっとごう君をみてるよ」
頼むわ‥
「目合わせたらダメだよ!」
目なんて見えません…
と今度はおもむろにポケットから金色のお経の書いてある延べ棒を取り出し「はんにゃほんにゃ〜」と何やら唱え始めた。
「なんですの?それ。いつも持ち歩いてますの?」って聞こうと思ったら 助手席のベースマンが「ごう君も唱えて!」だって。
あんたもかい。勘弁してくれ…
助けを求めて隣のボーカルに目をやると、明らかにタヌキ寝入りを決め込んでいる。
まるで周りが皆ゾンビになっていくB級ホラー映画の主人公の気分だ。
しかし、事態は一変する。 やり場に困ってふと、車のガソリンメーターへ目をやるとメーターの針が上へ下へと異常な動きをしているではないか!! 「え!?何これ!?なんで!?」 これにはマジびっくりした。 も、もしかして本物!? 霊のしわざ!?
態度も急変。 「ど、どうしたらいいですか!?じゅ、呪文唱えたらいいんすか!?」
必至に呪文唱えました。
リーダーさんすいません。信じるんで早く除霊してください! オバケさん、僕は性格も悪いし、足も臭いし、そのくせ女癖も悪いです! 憑依してもホントつまんない男ですよ! はんにゃ〜ほんにゃ〜…
… 数分後、どうやら除霊は成功したらしい。 リーダー汗だく。 メーターも元通り。 俺、車に酔う暇無し。
ありがとうリーダー!がんばった俺の守護霊!
しかし、再度メーターに目をやると、また異常な動きを繰り返している!
「ちょ、ちょっと!まだ霊がいますよ!」 「あ、これ?故障しているんだよね。おかげでたまにガス欠になっちゃって大変…」
トランス状態って恐ろしいなぁ。なんでもオバケの仕業に思えちゃう。 でもそれは私の勝手なキッカケであって、リーダーにはホントに見えたのかもしれない。 それか、これ以上ビビらせないように、故障と嘘ついていたのかもしれない。 あんなに汗だくになって除霊してくれたんだし。
ホントにオバケっているのかなぁ。 基本的には信じてないんだけど。 でもその時以来、ちょっと信じる気持ちが芽生えたりして…
皆さんは信じますか? ごう♪
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