校長先生の日記
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2004/12/22(水) 「コミュニケーションの営み」を考える〜その2
 先日、「人類の進化についての特集」のTV放映がありました。人類の祖先であるホモサピエンスの生き残ってきた経過が、私のような素人にも手に取るようにわかる内容でした。言語による情報交換の発展によりホモサピエンスは生き残ったそうです。言語をつかさどる人間の脳の容量は、他の動物からは比較にならないほど大きく、脳全体も他の動物に比べると何倍も大きいそうです。また過去のことや未来について考えることができるのも人間だけで、他の動物には「その瞬間」しかなく、過去を振り返って涙を流したり未来に夢を描くことは出来ません。飼い慣らした動物で、よく学習効果が表れるのは条件反射を利用した反復訓練によるものです。霊長類の脳も人間とほぼ同じ大きさの容量をもっているといわれていますが、言語能力には大きな違いがあります。ネアンデルタールが何故滅んでしまったかの歴史をひも解けばそれは明らかです。ネアンデルタールの気道が短かったのに比べ、ホモサピエンスの気道は長く、多くの種類の母音の発音が可能であったといいます。その結果、言語の種類も豊富だったのです。しかし今、この豊かな世界の「未来への言語の営み」「命の連鎖」が切れようとしています。ホモサピエンス特有の「コミュニケーションの営み」が危うい状況なのです。
 さらに、今の子どもたちから学力だけではなく、体力・気力も失われつつあるという深刻な話です。何故こんな日本になってしまったのでしょうか。それは私たち親自身が、子ども以上に物の豊かさに翻弄され続けているからではないでしょうか。幸か不幸か、私たち大人世代は戦後の高度成長の恩恵を受けてきました。私たちの親の世代も、子どもに苦労はさせたくないと必死で頑張ってくれました。しかし残念ながら「心の豊かさや幸せ」を「物の豊かさ」で置き換えることはできなかったのです。「“物”に包まれる幸せ」という大きな勘違いが巨大な進化を遂げてしまったのです。「物の豊かさやお金に余裕がある」ことが「心の貧しさ」であるなどとは言うつもりはありません。むしろ今の情報社会の恩恵は計り知れないはずで、切っても切り離すことができない発達した文明の副産物です。私たちが「心の豊かさにプラスされた副産物の豊かさ」としてそれらを積極的に駆使するということは、次世代に文化を継承するための手段なのであろうと思います。


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