校長先生の日記
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最新の絵日記ダイジェスト
2006/03/31 閉校です
2006/03/24 長い間、ありがとうございました。
2006/02/09 感動・校内合唱交流会!
2006/01/31 開花・飛躍の年に〜1月学校便り〜
2006/01/30 ラスト・スキー学習〜かもい岳〜

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2004/12/30(木) 感謝!
 年の瀬もおしせまり、平成16年も残すところ2日となりました。いつも西芦別中学校を支えてくださっている卒業生・同窓・地域・関係職員・保護者の方々、心よりお礼を申し上げます。ホームページ開設以来、遠くは本州各地から5000回以上のご訪問を頂き大変うれしいかぎりです。無料のサイトを利用していたためコマーシャル等がつき、いろいろとご心配も頂きました。現在は契約プロバイダーのホームページとなっておりますのでご安心ください。工事のため若干の間、アクセスできませんでしたことをお詫びいたします。
 本校は、来年1年をもって残念ながら閉校することになりました。生徒にとって次年度が思いで多く、また力強い飛躍の年になるよう、教職員一同一丸となって前進したいと決意しています。これからも、全国各地の同窓生そして地域・家庭からのなおいっそうのご支援を賜わりますようお願い致します。今までおよせ頂きましたご厚情に熱く感謝を申し上げます。
 北国は一面純白の世界で、朝夕はかなり冷え込みます。日中ですとマイナス5〜6度くらいですが、晴れたりはげしく雪が降ったりで、変化の激しい年の瀬です。世界・日本のこの1年は激震の年でした。深い悲しみの中で今も不安な日々をお暮らしの方々が多いことと思います。心よりお見舞い申し上げます。
どうか2005年は穏やかな年でありますように!
 「道標に母校への思い 背負いし33の君よ この故郷の大地に大志を刻め!」

2004/12/24(金) 開校10年の歴史・伝統・文化の継承を統合・閉校に託して
〜12月の学校便りから〜
 「グラッ!」12月14日午後2時56分、大きな横揺れがありました。学校は避難所になることを想定し、災害に対し万全の対策がなされています。それでも、訓練ではなく実際に地震など突然襲ってくる災害に対して、はたしてそのような場面でどのくらい「しっかりと訓練通りに自分の身の安全を確保」してくれるか、いつも不安でした。まずは「身の安全確保」です。とてもうれしかったのは、その時の本校生徒の行動でした。ほとんどの生徒がとっさに机の下に潜り込んで落下物などからの危険回避を自らの判断で行動できたということです。本当に立派であったと思いました。
 最近、世の中がとても変になって来ている気がいたします。毎日のように報道されているいわゆる氷山の一角的な出来事を見てもその数はとんでもなく多いと想像することができます。事件・犯罪などの危険から子供たちを守る為に、地域・家庭・学校がしっかりと情報交換や具体的事例を通して未然の予防に取り組まなければなりません。例えば、「不審者に声をかけられたり車に連れ込まれそうになった時は、すぐに逃げて近所の家に飛び込む。その家の人はまずその子供の保護とケアーを行い、すぐに110番する」など、家庭・地域でも大人と子供が一緒になって、そのような時はどうしたらよいのかをしっかり考えてみることが大切であるとあらためて強く感じました。
 激動の2004年が幕を閉じようとしています。次世代を担う子供たちに、もっともっと夢や希望を持たせることができるように大人の責任で頑張らなくてはなりません。
 振り返ってみますと学校においてもたくさん出来事のがありました。本校の教育活動が記事として新聞等にも多く取り上げていただきました。また、地域や保護者・PTAの皆さんに、いろいろな場面でしっかり支えていただきました。あらためて感謝申し上げます。生徒はよく頑張りました。学習面や生徒会活動はもちろん、数々のコンクールでの入賞や作品制作、部活動でも力いっぱい頑張りました。一人ひとりが「頑張り目標」を設定し、目標達成に努力したことは「素晴らしい歩み」です。その成果はいつか必ず結果となって出ます。それは明日かもしれませんし30年後かもしれません。人生に無駄なことはありません、すべての努力を栄養にして成長してほしいものと思います。
 特に、本校での大きな出来事は「本校の統合・閉校」のことでした。
11月に、教育委員会から方針や説明を受け、保護者は過日の臨時PTA総会において「本校の未来を見据え、統合やむなし」という苦渋の決断を選択しました。今、本校は統合・閉校に向かって大きく動き出しました。これまで、少ない人数ながらも生徒一人ひとりがフル回転で行事や様々な活動、学習、部活動一つひとつをしっかり取り組み、みごとな有形・無形の財産を創造してきました。まさに「西中の伝統」と言うべき宝物です。今後は、「子供たちのために」平成8年統合以前の頼城中学校・旧西芦別中学校、そして新生西芦別中学校開校10年の「歴史・伝統・文化の継承」とともに、統合先の啓成中学校との様々な交流に、生徒・教職員・保護者・地域が一体となって “新しい歩み”を始めます。
 本校での残された1年間を、生徒一人ひとりが思い出深い大きな「感動と感謝」の年度となるよう皆さまの絶大なるご理解ご協力をいただきたくお願いいたします。
 いよいよ、冬休みに入ります。早寝早起きを励行し(2学期に遅刻をしたり、朝起きるのが辛かったり、体調不良で欠席が多かった生徒は特に!)、生活のリズムを崩すことなく有意義な冬休みとなるように心がけてください。特に、読書にきちっと時間をつくりましょう。「継続は力なり」です。「みがきあい、わかちあい、きたえあい」を、自分の目標とてらしあわせて頑張る指針にしましょう。誰もあなたの代わりにはなれません。あなたが決心して、あなたが実行するのです。「計画は立てたけれど計画通りにできなかった」ということがないように一生懸命に努力してください。
 携帯電話関連の事件に巻き込まれるケースが全国で多発しています。交通事故にあわないよう、事件に巻き込まれないよう十分に注意しながら健康で有意義な冬休みを作ってください。元気に、一段とたくましく成長した姿を3学期に見せてください。

2004/12/22(水) 「コミュニケーションの営み」を考える〜その2
 先日、「人類の進化についての特集」のTV放映がありました。人類の祖先であるホモサピエンスの生き残ってきた経過が、私のような素人にも手に取るようにわかる内容でした。言語による情報交換の発展によりホモサピエンスは生き残ったそうです。言語をつかさどる人間の脳の容量は、他の動物からは比較にならないほど大きく、脳全体も他の動物に比べると何倍も大きいそうです。また過去のことや未来について考えることができるのも人間だけで、他の動物には「その瞬間」しかなく、過去を振り返って涙を流したり未来に夢を描くことは出来ません。飼い慣らした動物で、よく学習効果が表れるのは条件反射を利用した反復訓練によるものです。霊長類の脳も人間とほぼ同じ大きさの容量をもっているといわれていますが、言語能力には大きな違いがあります。ネアンデルタールが何故滅んでしまったかの歴史をひも解けばそれは明らかです。ネアンデルタールの気道が短かったのに比べ、ホモサピエンスの気道は長く、多くの種類の母音の発音が可能であったといいます。その結果、言語の種類も豊富だったのです。しかし今、この豊かな世界の「未来への言語の営み」「命の連鎖」が切れようとしています。ホモサピエンス特有の「コミュニケーションの営み」が危うい状況なのです。
 さらに、今の子どもたちから学力だけではなく、体力・気力も失われつつあるという深刻な話です。何故こんな日本になってしまったのでしょうか。それは私たち親自身が、子ども以上に物の豊かさに翻弄され続けているからではないでしょうか。幸か不幸か、私たち大人世代は戦後の高度成長の恩恵を受けてきました。私たちの親の世代も、子どもに苦労はさせたくないと必死で頑張ってくれました。しかし残念ながら「心の豊かさや幸せ」を「物の豊かさ」で置き換えることはできなかったのです。「“物”に包まれる幸せ」という大きな勘違いが巨大な進化を遂げてしまったのです。「物の豊かさやお金に余裕がある」ことが「心の貧しさ」であるなどとは言うつもりはありません。むしろ今の情報社会の恩恵は計り知れないはずで、切っても切り離すことができない発達した文明の副産物です。私たちが「心の豊かさにプラスされた副産物の豊かさ」としてそれらを積極的に駆使するということは、次世代に文化を継承するための手段なのであろうと思います。

2004/12/21(火) 「コミュニケーションの営み」を考える〜その1
 「学力低下の原因は、ゆとり教育ではありません。睡眠不足です」とはっきり明言した広島県尾道市の小学校陰山英男校長。私もまさに同感です。文部科学省は日本の子供たちの学力低下データーにショックを受け施策転換にゆれているようですが、それは始めからわかっていたことです。私はむしろ「よくこの程度の順位でとまったな」という気がします。校長という立場で何を言っているのかとお叱りを受けそうですが、視点を変えて取り上げてみます。
 日本人の余暇の過ごし方が多様化し「物」が氾濫する環境の中で、子どもの環境も大きく変貌しました。少子化や家庭でのひきこもり、働けない青年の増加も深刻な状況です。幼い時からのテレビゲームやビデオ、テレビ番組へのくぎ付けは深刻ですし、近所の友達や地域での遊びもほとんどなくなりました。さらに「活字離れ」も大変な勢いで進行しています。それは何も子どもにかぎったことではありません、大人も同じです。コンピュータに代表される情報化社会がいくら発達しようとも、人間生活の根幹は人と人とのコミュニケーションです。携帯やメール、掲示板、チャット・・・などの顔の見えない会話ではなく、互いの顔と顔をつきあわせる会話が必要です。祖父母、親、友達、近所のおじさんおばさん達との会話が大切であると思います。そして、「芸術・文化」との会話です、本、新聞、絵画、音楽などの芸術や本物との出会いが大切です。これらのコミュニケーションや本物との出会いは生活の中に組み入れ、きちっと自分でコントロールすることが可能です。きちんと生活の一部として構成されます。しかし、TVやゲームなどはなかなかコントロールができず、ついつい時間を忘れ深夜にまで及んだり睡眠時間を短くするなど、時には周りとのコミュニケーションをも遮断してしまいます。中には、何時間もTVを見たりゲームに長時間没頭することはない、という子どももたくさんいるはずです。その時間を勉強や読書に充てたり、きちっとコントロールできる環境作りは親の考え方しだいです。
 「百ます計算」で一躍脚光をあびた陰山氏もはっきりと指摘しています。「百ます計算」で創るのは「生きる力そのものである」と。この20年間で低下したのは学力だけではありません。体力や気力も低下しました。生きる力そのものが落ちたのです。「たくましく生きる力」を育むには、いろいろな方法があるはず。本校の、合唱活動を通して生徒が生き生きと頑張っている姿も然りです。全国の地域の状況や子供の発達段階はけっして同じではありません。今、目の前の子どもに教師がプロとして、子どもの生きる力をどのようにして今よりさらにたくましく育むことができるかをしっかり検証し実践しなければなりません。親も同じです。「親のプロ」として、子どもが家庭で過ごす一日の3分の2の時間をどのように過ごさせ指導するかにかかっています。
 昔から日本でも学習の基礎は「読み書きそろばん」と言われてきました。ところが今、子どもたちにそのことが「しんどく」なってきたのです。また、学校も親も反復練習をさせなくなってきました。教科書が薄くなってさらに時間が削減されてきたことだけが学力低下の原因ではなく、原因はどうやら違うところにある気がします。教科書が薄くなって時間が減った分だけ学校でも工夫しなければなりません。子どもが夢中になって反復練習をしたり計算練習したり、「しんどい」ことを何回も挑戦できるように、「楽しくできる工夫」をしなければならないのです。昔と違い、一見して楽しそうなことはこの世の中にあふれている時代ですからなおのことです。魅力的で楽しくなければ本も読まないし、勉強にしても、宿題を出されたり評価されたり入試があったりするから仕方なくしている」という子どもの気持ちはずーっと変わらないと思います。まさに「自ら学び自ら考える力」そのものが衰退し始めているのです。「しんどい」と思わせずに、夢中になって頑張る力を発揮させるプログラムを工夫する必要があるのではないでしょうか。こんな驚くべきデーターもあります。睡眠時間と各教科の平均点の関係を調査したデーターです。睡眠時間が長いほど、比例して点数がアップしているというのです。はたしてあっているかどうかはわかりませんが、確かに早寝早起きは子どもの学力改善と密接にかかわっているようです。また、朝食をきちっとバランスよく、できるだけ多くの種類の食品を摂ることによっても、頭の働きが大きく違ってきます。「今、親として出来ることは何か」と問われるならば、「少なくても、きちっと朝食をとらせ、早寝早起きをさせ、テレビも平日は1時間以内(休みの日などでも2時間以内)にするだけで、元気で積極的な、表情豊かな子どもに成長する」と答えたいと思います。そして、それは必ず「生きて働く学力」向上の基盤となるはずです。

2004/12/14(火) 「ジンギスカン」を囲む「道産子」(写真〜雪中運動会)
 しばらくぶりの日記です。ご期待していた方もされていなかった方もどうかまたお付き合いのほどをお願いいたします。
 毎年必ず降る雪ですが、北国は四季がはっきりしていますので春夏秋冬それぞれの瞬間を力一杯その恩恵を受けながら暮らしています。ですから毎年訪れる自然の営みはいつもとても新鮮です。たぶん「どさん子」はみんなそう感じていると思います。そういえば過日の新聞に掲載されておりましたが、「どさん子」を「道産子」と書くようにしようということでした。実にうれしいかぎりです。うれしいニュースといえば、新幹線の着工も決定しました。本州の都市部の方々に今、北海道での第2の人生移住が促進されているそうです。何せ道産子は売り込みがいまいち苦手。「やさしくて広い心」の持ち主ばかりですので「北海道の売り込み」が下手なのもそのせいかもしれません? 今、都内で「ジンギスカン屋」が続々と出店しているとか。「ヘルシーでこんなうまいものはない」と異口同音にインタビューに応えている場面を見てつくづく思いました。ジンギスカンは道産子にとって最高の食材と思ってズーーート以前から食してきたのですから...。コミュニケーションの場には必ず「ジンギスカンとホルモン」が用意されるぐらい手ごろでおいしい食材なんです。運動会、親子レク、家族キャンプ、海水浴、花見、会合等々、あげればきりがないくらい。「今日は何にもないけどジンギスカンにするか」とか、かなりの頻度でジンギスカンを囲んでいます。「今日は親戚が一堂に会するからジンギスカンだな!」なんていうのはいつものこと。都会の人からあらためて「おいしいね」と言われると、道産子としてはうれしいやら「えー、いまさら?」と複雑です。それだけ道産子は商売が下手なんだなーと思いました。
 情報化の社会ですから、今起こっていることや話題になっていることは瞬時に世界中を駆けめぐります。そんな世の中を憂うのではなく喜ばしいこととして大いに利用しながら私たちの生活をよりよい豊かなものにしていきたいものと思いますね。でも、心の豊かさはお金では買えないわけで、人と人とが支え合って語り合ってスクラム組んで歩む中から芽生えるものですよね。ですからそこには情報やよけいな物はいらない訳で、目と目を見て信頼の絆を作ることにつきます。伏し目がちに会話したり、相手が見えない電話のやりとりからは信頼は築けないということですね。今、日本中に働けない青年があふれているそうです。国としては税収や高齢社会への対応など大変な事態と考えていろいろ手を打っているようですが、果たして効果的な施策となるかどうかは難しいところかもしれません。戦後の歴史は、中学卒が金の卵と言われた時代から高度成長社会へと突き進み、当然のように需要と供給のバランスが崩れ一気にバブルがはじけ経済的に弱者と強者の世界に突入しました。夢を持ってもかなえられるのは運を味方にしたほんの一握りの人、そんな中で「夢を持て、頑張れ、一歩一歩だ・・・・」と字句をならべてみてもなかなかそうなれない現状かもしれません。きっとコミュニケーションが得手でなかったり、対人恐怖症だったり、「人と人とが織りなす関係」を創る手だてを学ぶ時期に学ばなかったせいかもしれません。14歳からのキャリア教育が緊要といわれ始めましたが、まさにその通りで中学校で行われている職場体験などを通して、働く喜びや人とのかかわりの大切さを学ぶ機会を家庭・地域・学校できちっと作ってあげるべきと思います。一刻の猶予もないと思います。家族や職場や学校や地域で「ジンギスカン」を囲む機会もそうした場所かもしれませんね。道産子の心の豊かさや広さはそうした場面の集積かもしれません。歩みを止めてふと振り返ると、純白の雪面にキタキツネと自分の足跡がずーっと続いている。そんな自然との共存がうれしい北国の冬に乾杯!


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