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2005/09/03(土)
直美へ おじいちゃんの生いたち
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今日、おじいちゃんが書斎として使っていた部屋を整理していて、探していたあるものを見つけた。
大学時代、私が大学の課題でおじいちゃんに聞いた生い立ちを記録したレポート用紙。 おじいちゃんは、本当にありとあらゆるさまざまな物をとっておく人で、手紙の下書きなんかもすべてとってあったから、きっとどこかに記録してあるだろうと思ってはいたんだけれど、やっぱりあった。
おじいちゃんに聞いたことが無いと思っていたこと。 生きていたら聞いてみたいと思ったこと。 私は既に聞いていたのだ。 ただ、覚えていなかっただけだったのだ。
夏休みの暑い日。 仏壇の前に小さなテーブルを出して、おじいちゃんが上座で私が下座に座って。 そんなことは覚えているのに。 聞いた内容で覚えているのといえば、 一番衝撃を受けた「回天」のことくらい。 一体私は話を聞いているとき、どんな反応を示したろう。 考えると、酷く胸が痛む。 こんなにも内容を覚えていないのだから、 結局、私は単なる「夏休みの課題のため」としてしか聞いていなかったのだ。 おじいちゃんは沢山、色んなことを教えてくれていたのに。 あの日の私は、何も受け止めていなかったのだ。
私は本当に、何もわかっていなかったね。 おじいちゃんが一生懸命私に話してくれたのに。 今の私が、あの日の話を聞くことができたなら。 もっと色んなことを聞くことができたかもしれないのに。 本当に悔しいよ。 本当にごめんね。
だけど、おじいちゃんは遺していてくれた。 あの日私に話してくれたことを。 レポート用紙の表紙には「直美へ おじいちゃんの生い立ち」の文字。 まるで未来の私が見ることを予測してたみたいじゃない?
10年以上の時を経て、やっとちゃんと受け止めることができるよ。 おじいちゃん。本当に有難う。
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