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2004/05/18(火)
the epilogue
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プロスペローがのべる。
私の魔法は消えました、 生身の私となりました。 私をここに残すのも、 あるいはナポリにかえすのも、 皆様次第でございます。 ですがお願いいたします、 公国をまたわが手にし、 罪を許したこの私、 この裸島に残るよう、 魔法をおかけにならぬよう。 どうか拍手の数を増し、 自由を与えてくださいまし。 皆様がたのあたたかい おことばだけがわが救い、 それなくしては、私の 楽しんでいただこうとの 願いもたちまち水の泡、 なぜならもはやこの身には、 使う妖精たちもなく、 魔法をかける術もなく、 絶望のみしかありませぬ、 祈りをまつほかありませぬ。 祈りは慈悲なる神々の 心に訴えかけるもの。 罪の許しを、皆様も 祈られるよう、私も この身の自由を、皆様に お願いします、このように。 (退場)
(テンペスト、5幕エピローグ)
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