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2004/12/24(金)
love is part of me
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山椒大夫の作者・森鴎外は医者でもあります。その鴎外の長女と次男が同時に百日咳にかかりました。次男は亡くなり、長女も危篤状態になります。医者からあと一日の命と宣告を受け、鴎外夫婦は安楽死させる道を選択をします。それを聞いた鴎外の義父が二人を叱ります。 「人には天命というものがある。その命が尽きるまで、 たとえどんなに苦しかろうと生きねばならないんだ」 モルヒネ注射は取り止め、長女の命は助かります。(その後鴎外は高瀬舟を書き上げています) 夫婦は愛を選びました。娘を苦から救おうとしたのです。義父の選択は慈悲でした。ほとけさまはうれしいときも苦しいときも共に微笑んでおられると教えたのでしょう。 仏となった父は白装束を身にまとい、胸に一枚の剃刀が置いてあるのを僕は見つけました。「同じ刃物で命を奪われた父をこれ以上苦しめないで」。それを外そうとすると、曹洞宗はみんなこうなんだと突っぱねられました。僕はただただ、見てることしかできませんでした。宗教も、法律も、マスコミも、僕たち家族を救ってくれるものは何もありませんでした。 僕はここで、誰かを批判したいわけでも、道徳の問題を繰り返すつもりもありません。僕はただ、慈愛(大きな愛)を信じてるだけです。僕たち人間はお互い助け合って生きて行きたいのです。今の僕はこれまでの出会いで出来ていて、イエス・キリストの出会いも今の僕の一部です。 数は本当に少ないけれど、いつもここに立ち寄ってくれるあなたに今日は次の言葉を贈りたいと思います。
「神の国は人の中にあり」(LUKE 17-21)
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