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2004/09/27(月)
続…むかしばなし
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乙女は影から逃げようとしました。早足で影を置いてきぼりにしようとしたのでございます。 早足…早足…早足…
でもやっぱり影は足にべったりと張り付いて離れません。
乙女は怖くなりました。
乙女は走って影から逃げようとしました。逃れられない事は、分かっていたのですが足は勝手に前へ出ました。 走って…走って…走って…
でもやっぱり影は足にべったりと張り付いて離れません。 魔女の木の実のせいでしょうか?乙女は恐ろしかったのですが失神する事は出来なかったのでございます。
途方にくれた乙女は『気味の悪い』影を見つめました。気味の悪いものを見つめる。それは乙女にとって、本当に初めての経験でございました。
乙女が何か気付いて空を見上げると…そこには美しい月が、静かに乙女を見下ろしていました。優しい月の光は乙女に降り注ぎ…乙女の体は月の光を受けて輝きながら…
影を作っておりました
その時、乙女は初めて自分を憐れだと思いました。
それから、その乙女がどうなったのか…知る者はございません。
わたくし? ええ存じておりますとも。乙女は私になったのでございます。
目には醜い、魔女にございます。
♪ちゃんちゃん
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