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2005/02/20(日)
jazzbass
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友人が、いや身近にいる敬意を払う師匠が「ベースを買わないか?」と尋ねてきた。 売買のテーブルのにのぼった一本の武器、fender customshop ’61timemachine relic。現行販売でいながら容易に楽器屋でお目にかかる事は出来ず、ましてや今回中古…飛びつかずにはいられずがっつく。 僕が所有しているベース4本よりもいい音が出る事は間違いない。約40年にも渡りジャンルを問わずにバンドのボトムとグルーブを担い続け今でもなお現在進行形の歴史を創り続ける超ド定番シリーズのフラッグシップ。定番は定番と呼ばれる理由がある、支持率の高さ。 ベーシストにも個性を求める時代に挑むスタンダード。 この楽器なら出せる最良のボトムエンド。 今、僕がメインで使ってるベースとジャンル的に一緒だが造り込みが違う完成度。 突き付けられた値段は15万。分割可、月2万。経済的工夫をすれば出せるかもしれない。ボブの兄貴は言ってたevery things gonna be alright しかし、僕の心に「待った」と声が響く。これは残念ながら、僕の信念にはそぐわない。 最近、宇宙海岸もコンスタントにライブする様になって多くのバンドに出会って多くのベーシストを観て思った。彼等は本当にいい楽器を使ってる。ウン十万もする楽器を買って、いい音を出してる。…が、そんなのは当たり前。そりゃ2歳の子供が弾いたっていい音でますってば。 さっきも言った通り「経済的工夫をすれば…」って話ですが。我思う。ミュージシャンってのは経済的工夫をする職業じゃ無い。そんな事してる暇があんならもっとぶっ飛んだ音を聴かせる工夫をしよう、と。僕は思った。 5万で買った僕のベース。でも、使い方次第で俺にとって最強の武器に思える。スピリット アンド ソウルから響く低音。物に頼るのは簡単。だが手応えなさ過ぎ。プラスチックサウンド。ノット リアルゴールドって事で。これは何にでも当てはまる事ですが。 今は亡き天才ベーシストjacoは人に譲ってもらった一本のベースを一生使い続けた。一生をかけてその楽器を掘った。そしてその結果彼のサウンドは彼の「第二の声」と呼ばれ、その声は多くの人間のハートをバイブレーションさせた。そんな彼のスタイルを俺は尊敬している。 ってな訳で買わない事にした。僕は今使ってる楽器ですら自分の第二の声を出せずにいる。いや、自分の声すら確立されていない。取り敢えず、そんな僕には5万円のべース、されど5万円のベース。 指とスピリットから鳴る肉声をもっと探ってみたいと思う。 いつかその壁をこえたら次のステップを踏もう。出来る事をひた向きに、物に頼らずくり出すgreat tone.
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