もっきりや


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2013年3月

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最新の絵日記ダイジェスト

2013/08/09		予定の作業をこなす
2013/08/08		最後の焼畑のころ
2013/08/07		他人の力で生きてゆく
2013/08/05		貧すりゃ鈍する
2013/08/04		僕はツールド栄村でいいと思う

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	2013/03/31(日) 都会の桜も散りだしただろうか

　このところ寒い。ということはストーブの前でグズグズするしかない。今日は日曜だしお休みにしようと思っていた。部屋が暖かくなって飛び始めたカメムシを捕まえるべく立ち上がるとついでにストーブを磨いたりする。寒いから外に出る気はないが、出ようとは思わないのだが何となく立ち上がってみるとバケツを持ってサッシのレールを磨きだす。どういうのだろうか。外に出ることもないのだがサッシを磨いたりするべく雨に打たれている。中途半端な仕事ではきれいにならないのだが、やるべきではないのだが、だが。
　雨は雪まじりになって気持も縮こまって指に息を吹きかけて家に入った。

	2013/03/30(土) ソローの小屋を作るか

　ひとつサッシでも掃除するかと思った。冬の間にゴミが詰まったサッシのレールをということなのだけれどやり始めると段取りが悪いことに気付いた。まずサッシの錠を外して掃除機でゴミをとってからでないと進まないと気付いた。やり始めるとサッシ全体が茶色く汚れている、そこでサッシそのものを掃除した。２ヶ所しか出来なかったがこれがきれいになった。不思議だ。何年ぶりになるのかと指を折っても思い出せなかった。
　このところ山房もっきりやになんとなく気が乗らないと感じていてそういった気の迷いを払拭するためにはどうしたらいいのだろうと考えていた。ここへの道もひとり所帯だから村は感知しないという。それならひとつ小屋でも作って新たな住人を探そうかというわけである。来る人はいないだろうがそうなったらその小屋を猟師小屋のレプリカにしてエコツーリストに解放してもいい。作る小屋はソローの森の家のようにしたらどうか、そんなことを考えていると元気になったように感じた。歩いてその候補地を見て来た。頭の中にはちゃんといい小屋が出来ていた。

	2013/03/29(金) 僕なりの争い方だ

　午後から霧が出てきた。それでも暖かいとは感じなかった。
　今日はよく仕事をした。索道小屋に駅名なんか作っているとお国から叱責を受けること間違いない。河川法というものに抵触する。以前この辺の砂防工事の用地買収に来た役人は坪７００円で土地を売れという。金はいいけど索道を認めろというと首を立てには振らない。ただ見て見ぬふりをするだけだという。僕も砂防工事は賛成しないがひとりでハチの巣城ごっこをしてもしょうがないので見て見ぬふりをする。いやみで索道小屋に右岸「和山口」左岸「山房下」と名を付ける。国はそういう人間には権力を行使するから今回は「貨物専用」の表示もあわせて掲示してつまらないごたごたを避けることにした。国との争いは消耗する。その看板を書いて、小屋に掲載した。雪囲いを外し除雪用の道具を片付け、おみやげコーナーの準備もした。８時になっていた。でも掃除をするときれいになる。ヘンなものだ。

	2013/03/28(木) 障子張りと掃除

　日が長くなりました。５時過ぎにお風呂を頂戴して帰って、一杯飲んでもまだ外は明るいのですから。
　きのうはペンキを塗ったので今日は障子を張り替えます。ひとり作業なので面倒なことが多く先に障子紙を切ってから張ったのですが霧吹きでの噴霧を間違って両面にしてしまった。すると紙が縮んで上手く桟にかからない。。もう一度水を噴いてみたがあんまりよくはなかった。やり直してもいいのだがやっとこのところで障子紙は張り付いているのでこれでやめる。どうも不器用でこまる。その分台所に向うガラス戸をキレイニしてから川を渡った。福一さんの前から夕景の鳥甲がきれいだ。
　明日は索道小屋に駅名の看板をかけて、雪囲いを外そう。それと索道に「貨物専用」の説明板を作ろう。掃除をしなければお客さんはここもっきりやを安心して利用できないかもと思うにつけ忙しく立ち働くようになる。掃除は毎日一ヵ所はノルマだ。

	2013/03/27(水) ペンキを塗ってみた

　気温は上がったけれど風が吹いたり雪が舞ったり中途半端な日だ。きょうはひとつ電話置き場のペンキ塗りをやろうと動きだした。なにかしなくては身が持たない。
　ペンキはモスグリーンとワインレッドしかないのでレッドにした。配線を外したり照明を取り除いてやれテープだ新聞紙だとゴチョゴチョ動いてペンキは塗ったのだが乾くまでストーブを大きく焚いた。本来なら乾くまで川原に出て岩魚釣りでもと思わないではなかったが風が冷たくてやめた。ひとりで糸をたらしても岩魚はおろか思い出も釣れなかったろう。
　でもきょうは仕事をひとつやれたことを喜ぼう。感じるのだがいらないものが多すぎる。服も本も始末しなければこの家も狭くてしょうがない。

	2013/03/26(火) 寒い日だ

　朝は寒いのでゆっくり寝ていた。外は雪でまた布団に入った。
　気温は終日マイナスでうっすらと積もった雪が「どうだ！」と振り返ってきた。だからカレーを作ってチャーハンを食べてコタツでうたた寝をしていた。きのうの山登りのせいか太ももが痛く立ち上がりに苦労するは昼に食べたサッポロ一番のラーメンを誤飲して苦しむわで気持もすっかり冬に逆戻りだった。こんな時は何もしないに限るとウイスキーをチビリとやって口の中を消毒していた。
　何となく疲れているので身体のことを思い出してドックの予約をした。そしたらパソコンがフリーズして動かなくなった。寒い日は健康に良くない。

	2013/03/25(月) 冬の仕事はこれで終わりだ

　久しぶりに山に登って仕事を半日。帰ってスノーシェッドに避難していた軽トラを引き出してきた。選抜の早実の試合を見てから温泉に浸かり、帰ってコタツに入ってウトウトしていた。掛かってきた電話に笑いながら受け答えをして、本を読み出したら外は暗くなってきた。出ると細かい雪が降り出していた。
　明日は障子を張り替えるか居間の電話ボックスをペイントするか、Ｍロードを歩いてみるか雪囲いを全部外すか物置部屋を片付けるか、何もしないで「浮雲」でも見るか、どうしよう。たいした作業ではないからボチボチやることにしよう。
　今年は雪消えが早く山の斜面の雪はザクザクで登りながらいい気持ではなかった。軽トラのバッテリーをセットして走り出すと遠くに烏帽子岳の尾根がかすかに望めた。

	2013/03/24(日) 地区総会のこと

　毎年このころの田舎では年度末の地区総会が開かれていることだろう。ここでも総会が行なわれ今年度の活動、収支報告について地区民の承認を得ることになる。そして次年度の役員の選出が行なわれる。日本の地方では高齢化や人口減少のなかでその選出に苦労をするわけだ。たくさんある役職に少ない人間が割り振られるのだからひとりが何役も受け持つことになる。今回は僕も逃げることは出来なかった。
　そのあとに懇談会が行なわれ僕は前に座った山田由信さんといろいろ話すことができた。由信さんは長い間この地区の猟の名人だった人で銃を置いて１０年にもなるだろうか、雪の斜面を歩くことの上手な人だ。その彼がこの頃よく猟の夢を見るという。「猟に出て獲物を見つけてねらいをつけて撃つのだが爆発が起きないで弾が出ない。ドキドキしているうちに目が覚めるのだ」といかにもその手の中に銃があるように構えて見せた。由信さんの長い人生の中、山での暮らしを支えた夏の漁としての岩魚釣り、雪の中を苦労して追った熊の猟があの頃のまま心に息づいているのだなと感じながら僕はビールを飲み干した。

	2013/03/23(土) 寒い時は本だ

　寒いので家の周りを２回グルグル廻って家に入ります。去年から比べるとずい分雪も減りましたがどうでしょうかひと月は終らないと地面は出てこないでしょう。
　今日は索道の小屋の駅名を記した表示板にローマ字を書き加えて完成しました。乾くのを待ってテープを外したら小屋に貼り付けます。この文字を筆で書くのが大の苦手で下手糞なのです。だから完成が遅れたのですが満足はしていません。でもひとりでやるしかないから。
　明日は屋敷地区の年度総会というので行ってきます。なかなか面倒なのです。

	2013/03/22(金) いい天気だった

　今年の３月というのは良い天気が続いて雪と寒さに疲れた身体にはいい薬になった。毎年この頃でも吹雪いたり積ったりするものなのだが今日まではバンザイなのである。
　仕事に呼ばれたのだけれど暖かく作業もきつくなくて助かった。家の中にいることの多いこの頃は仕事に出ると疲れると感じるものだが天気はいいし飛行機雲を見上げながらウキウキとそこにいられた。昨日までウグイス色に濁っていた中津川も今日は静かに清んでいい気分だ。
　さて今年の桜旅行も瀬戸内の魚島、兵庫の本竜野、尾道、津山、鳥取、丸岡と決定した。行きたい所はたくさんあるが行った所で僕の見たい風景はないだろうし一本の気分の良い桜を見つけられれば結構だ。ここにいて僻んでいるよりやはり行った方がいいに決まっているから。

3月絵日記の続き