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2012/02/03(金)
5時間も
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城山三郎氏は妻蓉子さんの亡き後、彼女を探し続けた。こんな優しいご主人と天真爛漫な女性の話を感動してから僕は屋根に上がった。その時間5時間。日が暮れかかるまで城山三郎氏を思い出して「こんちくしょう」と雪を落とした。 重い雪だった。山側に落としたくないもので谷側まで引っ張って落とすのだが力が出てこないのだ。長い人生の最後の疲れのようなもので少し参った。この間の毎日の雪の始末の疲れが文字通り積み重なって屋根の上に目に見える形で存在していた。 今日は城山三郎氏の物語が支えてくれたけれども6回目の雪下ろしに僕は耐えられるのだろうかと心配になった。 カラスが屋根の上でフーフー息をついていると騒がしく鳴きながら見物に来る。また上空には旅客機が小さくなって東京方面に飛び去ってゆく。見上げると目が廻って自分の不運を嘆くことも出来なかった。
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