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2011/08/08(月) ゆっくり生きろ
 私の前に逢ったことのない祖父の写真がある。たった1枚しかない写真である。肋骨が浮き出るように瘠せた胸をよれよれの着物からのぞかせ、頭を右に幾分かかしがせてしゃがみこんだ膝に手を組んで困ったようにレンズを見ている。子供の頃から仏壇にあってよく見ていたのだけれどちゃんと見たことはなかったように思う。彼は慶応3年の生まれで江戸時代の人ということになる。明治39年の鉄道国有化で失職した祖父は定職もなく失意のままで生涯を終えたと聞いた。
 そんなことを思い出したのは同じようなよれよれの夏物の着物を着て一日を過ごしたからだろう。その間に2台の車が入って来てそのうちの1台からは人の下りてくる音がした。訪ないがなかったから玄関に出ることもしないで本を読んでいた。そんな自分の子供っぽい困惑にいら立って、ふと見やった祖父の姿や心情が分かるように感じたからなのだが、山の中で引きこもっていてもしょうがないと今日はガラスを拭いたりMロードの側溝を掃除しに出てみた。暑さを避けて午後に仕事を始めると1時間もしない内に夕立が来て「ゆっくり生きろ」と祖父さんに言われたように思った。


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