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2011/08/19(金)
夏の佃煮
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指先がヒリヒリするのは午前中に辛南蛮とピーマン、しし唐の佃煮を作ったからだがいつまで経ってもこの感じは消えない。ハバネロという赤ん坊の握りこぶしくらいの激辛の野菜の場合はこれはまたその幾倍も激しく、忘れて小用にでも行ったひには飛び上がるような痛みが走るのである。だからハバネロはカルメンに任せることにした。 私の家では昔から梅雨の頃は青梅を切って塩水に漬けて食べ、夏になると決まって葉唐辛子を佃煮にして食べていた。祖母は水戸の出でそれらを母に伝授した。母方の祖父は広島の人でのち姫路に住まいしたという。やがて外科医になって佐久間町で開業し帝劇や国技館また東京駅の嘱託医もやっていたようだ。昭和5年に祖父が他界すると祖母も母もずいぶん苦労したようである。戦争になって母方の伯父は二人応召しビルマ、満州でそれぞれ戦死している。そういった家に伝わるこういった料理は庶民の食卓にはよく似合っていた。今でも家ではこの頃になると家族総出で葉唐辛子の佃煮を作る。といっても作り手はずいぶんすくなくなってしまったが。 こう言う私も葉唐辛子は大好物で暑い夏をこれひとつで乗り切るのである。葉唐辛子は収穫してその日に葉をむしり洗い茹で、生醤油で煮て作らなければならずここでは素材の栽培をしてないので無理のようだ。そこで、南蛮やピーマン、しし唐を用いてもどきを作り上げる。今回は3時間立ちぱなしで鍋ひとつを作った。これを冷凍にして置くと一年間私はいなくなった家族のことを思い出し続けられる。
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