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2011/07/13(水) 山の歩き方
 仕事の行き返りに僕は誰かといつも話している。すっかり逢えなくなった友だとか、鬼籍に入った親、兄弟達と何時もいろいろと話しながら歩いている。それは僕の頭の中にある彼等との思い出や経験を再確認しているに過ぎないのだけれど何時も新鮮な会話を交わしている。独り者で歳を重ねた僕はそうすることで彼等や僕自身が呼吸を始めるのを感じる。
 山はひとりで歩いているのではないけれど少し距離を取ってゆっくり歩いている。僕はいい仕事を続けていると感じている。兄にも従兄弟にも若くして死んだ彼女にもいつでも会うことができる。そして何時も僕が主役の舞台に立っている。スポットライトは当らないけれど日差しや夕立、心地よい風を体に受けてこころが解放されてゆくのを覚える。山と続く道には僕の思い出がこぼれてゆく。


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