|
2011/02/04(金)
負け惜しみ
|
|
|
夕方の6時前まで山の端がうすくながめられるようになった。その後は漆黒の闇に満点の星空である。今日で3日続いて晴れになった。朝、ひとしきり降った雪もいい塩梅に止んでうす日が射してきた。 今日は仕事だというので8時前に家を出る。ここにいても外に出てもすべて雪片付けであるけれど、今日はただ働きでない分少しはいいのだ。今月も5日は稼ぎ仕事に出たいものだ。 休憩の時のことだ。僕は自分の屋根の3回目の雪下ろしを褒めてもらいたく報告したのだ。「ひとりで上がってさ、5時間かけてきれいにしたのだ」と。すると「何で5時間もかかるの、せいぜい3時間でしょう」これには驚いた。返す言葉をさがしながら「僕は雪のないところ育ちで、一生屋根の上なんか上がらないはずだったの」と負け惜しみを言って笑うしかなかった。しかし考えてみると地元の人なら僕の半分の時間で終えるものなのだなー と。この辺が町から山になどに気楽に移り住んだ者の弱いところである。恐い、疲れる、力もない、要領が悪い。子供の頃からここに住んで大人の動きを見て育った者にはやはりかなわないということだ。いくら地下鉄の乗換えがうまくても雪は片付かないのだ。だから「屋根の上で給料の計算をしていた分時間がかかったのだ」と負け惜しみの上塗りをしていた。 遠くで「捨て丸」の声を1回聞いた。この寒さを外でひとりで乗り越えるしかなかったようだ。「捨て丸」の覚悟は僕よりすうだん上だと思った。
|
|
|
|