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2011/01/23(日)
老犬は
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一見死にそうな動物を見ていると、自分の姿だと思う。目は見えず、耳は聞こえず、声も出ないし嗅覚も衰える。つまずいては体ごと倒れこむ。それでも犬はとにかく食べることへの執着は強く、上手にセーブしないと部屋のなかだって糞を置き土産のように残して置く。僕は手袋をしてアルコール消毒液をもって老犬を注意して見張る。 タミコも具合が悪くなった頃はタールのような便をして困ったが、僕のしかめっ面を察してかタミコは食べなくなった。体が三分の一程に痩せて死んだのだが、そうするとこの老犬はまだ死なないようだ。難しいところだ。 僕ももう少ししたら、この犬のように未練たらしく老いさらばえるのだろう。生き物の死は人の教科書のようだ。
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