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2010/08/21(土)
酔って歩くいい女を見た
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昨日は西荻の焼鳥屋で飲んでいた。ここのとり皮が旨い。8本も食べていた。ジョッキのハイボールは180円なのだ。おまけに店の人が「いらしゃいませ、こんにちは」とは決して言わない。注文をするのだって店側の人の動きを見ながら「ハツ、ガツ、カワ、シロ、塩で」と注文をする。確認はするがお愛想は決して言わない。これがいい。昔の新宿西口のションベン横丁では、よく怒られたものだがそれが楽しかった。60を越えた今、世代交代した格好だけの西口では飲む気はさらさらない。それにチェーン店の水っぽ刺身も食べあきた。西荻では何だか若い頃のままの自分に帰れるようだ。それに西荻は小さい町だからいいのだ。歩いていて疲れない。まっ飲み屋はそれでいいけれど酔って帰る電車でいい女を見かけた。ドアをひとつ挟んで女をチラチラと見た。いい女なのだ。肩までの髪を揺すってあくびをしていた。黒いTシャツと黒っぽいジーンズ。左手にオレンジの紙袋を持って少し酔っているのか体を揺するように足を引きずってホームを歩いていた。昔若い頃、僕の片思いだったけれど好きだった女に逢ったようだった。ちょっと演歌だけれど、ズーッと付いて行きたいと思ったものだ。東京のよさはこれなんだな〜。人が多い分、本来は会えない人に逢えるような気分になる。夜の電車でもいい旅が出来る。 家に居る年取ったイヌは目も耳も利かなくなったようで、散歩に出るのもひと仕事だ。それでも奴さんが僕らに残した楽しい思い出を思うと寂しいものだ。みんな去ってしまう。昔の片思いの女も40年近い昔に11階のビルからひとりで飛び降りてしまった。僕もグズグズとまだ少し生きるにはたまに東京を歩く必要があるようだ。
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