|
2010/08/18(水)
夏の日を天辺禿は受け損ね
|
|
|
仕事に向かう途中で車にオニヤンマが飛び込んできた。バタバタと狭い車内を逃げ惑う奴さんを優しく捕まえて「気をつけなければいけません」と諭して放った。大きな口をもぐもぐさせて分かったのか分からないのか不敵な面構えであった。 久しぶりの御普請組での作業は原野の刈り払いと樹木の伐採だったが、とにかく暑いのなんのって。汗だって始めはしょっぱいのだがだんだん味もなくなってくる。隣を見るとタオルを絞っている。汗がジャージャーと流れ落ちた。とんでもない日に仕事を始めたものだ。それでも仕事は続けなければならない。一月前には雨に打たれて震えていたのに。変われば変わるものだ。こんな時は家にこっもているものだ。還暦を過ぎた老人は。 帰って昨日買ってきたかぐら南蛮ともっと辛いという南蛮とピーマンを煮付けた。これが辛いのなんのって指先がひりひりするまま風呂に入ったのがいけなかった。石けんをつけて顔を洗えば顔中、まぶたまでカーッと燃えて体中が燃え始めた。これはたまらんという感じでどうしようかとウロウロするばかりだった。煮付けた鍋をかき回すだけでザーッと汗が噴出す。トイレに行けばあそこも燃え始める。実に困った。世の中にこんな辛い南蛮があるのかと震えた。それでもこれだけの犠牲を強いた煮物はこの夏を乗り越える起爆剤になると信じている。それにしても辛い。ヒーヒー南蛮と名づけた。 名言 慈悲深い神などいない。苦しみの神だけだ。 映画「アマデウス」
|
|
|
|