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2010/07/29(木)
友は塩見を目ざす
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夏の仕事も一段落のようでこれからは自分の仕事に精を出せます。このところ見られなかった映画や池波正太郎の作品ばかりでなく少し頭が混乱するようなものも読んでみようと思っています。 友人が今日から白根三山や塩見に向っているようです。ずい分まえになりますがひとりで荒川岳を越えて千枚小屋から二軒小屋まで歩いた時のことは忘れません。ちょうどこの時期で呑気な一人旅でしたが一番記憶に残っています。僕の従兄弟は南アの甲斐駒から鋸岳を目指して鞍掛沢に迷い込みそこで滑落してなくなりました。僕が22歳で彼は24歳でした。その日仕事を終えて帰って来ると母が震える声で「尚ちゃんが死んでしまった」と伝えました。彼女の震えが僕に伝わり止まらなかった。その日の「穂高」で長坂に向かい翌日警察と救助隊に連れられて尾白沢を朔行して現場に着いたのはもう夕方に近かった。冷たくなっている従兄弟の帰ってこない日々を、悔しくてオンオン泣きました。日が落ちて従兄弟を荼毘に付した火が一晩中オレンジ色に燃えた岩棚をきれいだと今でも思い出します。翌朝遺骨を拾って新宿駅頭に立った僕らに彼の母さんが崩れ落ちるように泣いたのを鮮明に思い出します。何だか兄弟のように付き合っていた従兄弟をなくしてから何時も片肺飛行のようなもどかしさが続きました。それから何年も山に行けず、ようやく落ち着いた気持で向った山が南アの縦走でした。南アは大きくて長いコースの連続で危険も一杯あります。どうか元気に帰って来て笑って山の話がしたいものです。 名言 山を知ること、自分の限界を知ること。時には引き返す勇気を持つこと。でも、楽しむこと。 山は楽しいところだから。 アルプスガイドデイビット氏
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