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2010/03/11(木) 夢の兄と目覚しのテンとトキの私
 きのう夢で兄と会った。兄は他の人と釣りをしていた。兄は殊のほか釣りが好きだった。通りかかった私が兄から竿を借りて投げると直ぐに熱帯魚のような青い大きな魚が釣れた。どうだとばかりに振り返った。兄は笑っているだけだった。そのとき他人に斟酌しない自己中心的な自分がそこにいた。にこやかに笑っているだけの兄に自分を恥じるしかなかった。いつもそうだ。嫌な奴だと思って目が覚めた。何かが屋根裏を走る音がしていた。 
 トキを襲ったテンはここでも私を狙っているようだった。テンは屋根裏にも出没して大きな音を立てて走り回ることがある。タミコはベットに寝たまま音のする方を見上げるだけだったが、私は銀球鉄砲を持って屋根裏へ通じる天井板を外すのだが明りには何も浮び上がることはない。むかし一度だけ夜中にあんまりうるさいので戸を開けてみると外に出ようとしたテンに出会い頭に出っくわしたことがあった。まん丸の目と白い毛がなんとも可愛らしかった。1mで1秒もなかっただろう。テンは栃の木やさくらんぼの木を伝って屋根に上がりキツツキが開けた穴から入ってくるようだ。この雪の中テンだって大変なのだろう。
 トキを復活させる努力をしている人も大変だろうが野生の生物の生きることへの絶対条件は、ゲージのあるなしに係わらず食べなくてはならないことに尽きるだろう。テンもトキもどっちの見方も出来ないが、この家が私のゲージのように思えていつかテンに咽喉笛を噛み切られるのかなとトキならぬ私は兄に話しかけていた。
 名言 
  一生を暮らすのではない 一日、一日、 一日、一日を暮らすのだ。
                      山尾三省「一日暮らし」
 


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