|
2010/02/28(日)
山の危険と海の危険
|
|
|
吉村昭の「三陸海岸大津波」という小説が中公文庫で出ていて、実にリアルに読んだ記憶がよみがえった。インドネシアの地震によって引き起こされた津波がインドネシアやスリランカ、ミャンマーの被害は頭では理解して「大変だなー」と思ったが、私が歩いた町を襲う津波を考えると他人事ではなかった。厚岸や釧路、種市や普代、田野畑や田老、大船渡や陸前高田。小名浜や豊間、大津港や岩地と瀬戸の大島や宮崎の油津。画面には出ないけれど日本の思い出のある港を探していた。中公文庫は見つからなかったけれど、四面海に囲まれた国の人間は読んでおきたいものだとTVの報道を見ながら感じるのだ。 さて今朝の雪は水雪で気温は0℃を越えなかったけれどここでも川の水位は下がらなかった。雪は腐ってグズグズでもう一度カンジキを付けなければ歩けなくなってきた。丸木橋は12月の雪で折れていた為に流れに押されて水に浮いているし、どこかで雪崩でも起きそうだった。上流で雪崩が川をせき止めれば一時ダムのように水を溜め一気に流れ下る怖さは津波の比ではない。上流から2Mもの高さで一気に流れ落ちる濁流を見たことがある。昔湯之谷村の只見川の源流で山小屋を作っていたとき地元の老人に雪崩は遠くから始まり川を飛び越えて対岸の山に跳ね返って目の前に飛び込んでくると聞いたことを思い出した。水の流れも、雪の流れも、空気の流れも勢いがついて押し寄せれば人間なんてひとたまりもないものだと感じている。 これは山や海辺に住む人だけの問題ではなく都会で安全だと思って暮らす人にもある危険だ。 名言 悲しみは、時癒しに預けよう。それより共に過ごした楽しみを思い起こそう。 小椋桂
|
|
|
|