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2010/10/19(火)
水平道移動
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三日ぶりに水平道を歩いた。歩きながら考えたのはどうしたらこの道を日本に滞在している外国人たちに伝えられるだろうかということだった。春のさくらや新緑のころ、夏の日盛りのころ、秋の紅葉のころ、ゆっくりとこの道を歩いてもらいたいと思うのである。野反湖から来るか、草津に向うかそのまま渋沢から取って返すか。この水平道は自然に触れながらゆっくり歩ける格好の道である。苗場のような込み合った道を挨拶疲れを感じながら歩くより、鳥甲のようにドキドキ緊張しながら尾根を行くよりどんなにかいいだろう。しかしこうも思う。ジョンやピエール、キャサリンやアンが歩き出すとぞろぞろお調子者の人間が追いかけて歩き出すことだろうと。このまま何もしないで枯葉の中に埋もれさせることこそいいのかもしれないとも。 風が吹くのか落ち葉が雨のようにふりそそぎ帽子に当ってカサッと音をたてた。紅く燃えたもみじが道をおおい足音がそれをのみこんでゆく。木々はなんの衒いもなくただ季節の移ろいを通り過ぎて凛として立ち尽くしている。
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