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最新の絵日記ダイジェスト
2013/08/09 予定の作業をこなす
2013/08/08 最後の焼畑のころ
2013/08/07 他人の力で生きてゆく
2013/08/05 貧すりゃ鈍する
2013/08/04 僕はツールド栄村でいいと思う

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2010/10/31(日) Vielen Dank
 掃除を終えて薪の玉切にかかった。それを終えて日が落ちた。嬉しかった。3日の文化の日に割って積んでおこう。そうそう、タイヤの交換もやっていた方がいいだろう。
 最後になって少しあせってチェーンソーで石を切ってしまった。暗くなり始めた中で赤い火花が上がってしまった。予備の歯を買うかと考えているがお金が飛んでいくのが分かる。でも僕の不注意だ。
 今日は今年最後になるだろうお客さんが来てくれた。やることはやったしいい酒も飲んだしドイツの娘さんも来ていたからというのではないが落語はやるし唄は歌うしでお客さんは迷惑だったかもしれないが僕は楽しんだ。天然ナメコの鍋とカタハの付け、津南ポークのソテー。これで3000円は安いと褒められたけれどこんなものだろう。みんなが楽しければいいのだ。
 ところで僕はドイツ文学科にいたことがある。ちょうど全学無期限ストの最中で初めてのドイツ語のテストは0点だった。僕の中で0点というのは後にも先にもこのときだけだ。教授は新潟大学を退官した石井教授だったが悪いことをしたと今でも反省しているのだ。そんな僕も60を過ぎて若いドイツ娘の前で落語なんかやるのだが、あの0点の記憶がこんな時によみがえるのだ。ドイツをふらふら歩いたとき、まだ東西ベルリンがあったころチャリーポイントを通って夜の真っ暗な東ベルリンから西の輝くベルリンを見たことがあった。そこに立つ若いドイツ青年が西に行きたいと話したことを思い出した。深夜西に帰ってゲストハウスで暖かいソーセージをとドイツ語で話したのだが通じなくて冷えたサーモン缶詰のサラダを食べたっけ。
 「Das Rakugo hat mir sehr gefallen」ドイツの娘さんはこう書き残してくれた。Virlen HerzLichen Dank

2010/10/29(金) 静かな山だった
 ようやく一週間が終わって10月が終わろうとしている。実に早い。良寛和尚は弟への手紙に「人も40、50を過ぎると後は坂を転げ落ちるばかりなり」と書いている。どうも坂ではなくてエレベーターを一気に落ちているような気分になる時がある。
 灯油の買い込み、飯米の搬入、来年の薪の始末、トイレの汲み取り、プロパンの設置、水場の整備、トイレの水を切る。タイヤを換えたり軽トラを仕舞ったりまた、雪消し用の池の組み立て、雪囲いの取り付け。忙しいのだが11月は2度ほど歯医者に通わなくてはならない。それまでにあらかた片付けておきたいのだが優先順位をつけてこなして行こう。仕事を休んででも完璧に終わらせなければいけないのだ。毎年そうだが季節とのゲームなのだ。8勝7敗でもいいから負け越せない。実に面倒だけれどこの辺りの男はみんな忙しい思いで暮らしている。
 久しぶりで雨のない山道を歩いていた。川はこの雪と雨で水量を増し、よく見ると雄の岩魚が産卵床を作って雌の産卵を促している。そこによその雄がチャチャを入れに入ってくるとそれを追い出すのにクルクルと円を描いて追いかけていた。うすい青空がつかの間戻って静かな山を今日は歩けた。

2010/10/27(水) 予報どおりの雪が来た
 昨日の夜に雨はみぞれ交じりに変わった。今朝の雪は驚きはしなかったが引導を渡されたような感じだった。
 雪を眺めながら朝、カレーを作って弁当を拵えてノーマルタイヤのトラックでゆっくり坂道を登っていった。砂利道の轍には地熱があるのか積もっていなかったが、アスファルト道に出ると5cmほどの雪があって坂道の下りはちょっと注意を要した。速度を抑え轍を追って下るのだ。こんな時は家でストーブがいいのだけれど稼ぎ仕事にストーブは似合わない。
 仕事は志賀方面に僕のトラックで向かうのだがミズの沢辺りは20cmはある積雪にタイヤは空転をくり返した。雪はその後ずっとおさまってきたが、とにかく安全に20kを越えないように走っていた。山道も滑り易く一日中積雪への注意に終始した。明日が冷えると道は凍るだろうか。それは困る。

2010/10/25(月) いい色になったということだ
 昨日あんまり頑張って薪を掴んでいたので左右の指が深爪のようになって何かに当るととても痛い。今の仕事はその指を使はなければならないので今日は志賀方面の遠征に回してもらった。久しぶりに走る秋山林道は今年の最高の色合いだろう。キリが掛かってそれなりにコントラストがあっていい感じだった。ただマイクロバスや中型バスが多く走りここを移動する方はゆっくりスピードを抑えて走ってもらいたい。ことにこの時期バイクも多く注意が大切だ。
 昨日まで5日間泊まってくれたムシューがいなくなってちょっとガラーンとした家に帰ってきた。洗濯して風呂を沸かして久しぶりのひとりを楽しもう。後は米や灯油などを買い込んで家に入れるものを雪の来る前に終えなければならないけれど手元が不如意になって気をもんでいる。
 さて明日の準備をして雨の音を聞きながら久しぶりに映画でも見ようか。ひとりはいいもんだ。
 名言
  人生は屁のようなものだ。大きな音でとび出して、笑われもし、嫌われもするが、
  しばらくするとさっと消えてしまう。
                                      「ゲゲゲの女房」

2010/10/24(日) 番頭候補生と薪積み完了
 お客を送り出してボーっとしている。玄関がガラガラと開いて「あのーここは泊まれるんですか」と来た。僕はこのところの疲れが全身を回って二進も三進もいかない状態で不精を決め込んでいた。声の主はここに泊まる段取りを聞いているのだが玄関に出ることもせず、障子越しに話すだけだった。
 9時を回ってこのままでもいられず作業をいやいやながら始めると対岸から2人の若者がやって来て、いいところだと盛んにおべんちゃらを言うのだが、面倒だから後10年もしたらあなたに上げるよと話した。彼らはそれではその方向で考えてみるとパチパチシャターを切って帰って行った。もしかしたら彼らのうちのひとりが僕の後を引き受けているかも知れない。僕が屋根に上れなくなったらこの宿を他の人に譲ろうとズーッと考えているのだから。ただ誰でもいいというわけにはいかないだろう。
 そのことだけれどこの5日間ムシューAとここにいて何だか久しぶりに親戚の兄貴に会ったような気楽さに助けられた。彼なら僕の変わりにここにいてもなんの遜色もなくいいのだけれど少し塔が立っている。二人でやるには客は少ないし思うようには行かないものだ。ムシューAは今日は屋敷山まで登ったという。なかなかに元気な若い頃はちょっといい感じのおじさんである。彼は僕の薪積みの終わりごろに帰って来て手伝ってくれた。薪を積み終わって掃除をしていると雨がシトシトと降りだした。ほんとにいいタイミングの雨だった。
 今度長い旅に出る時はムシューに来てもらおうか。彼ならいいが給料の面でどうも労組の息が掛かっているのか折り合えないのだ。でも彼ならいい。

2010/10/22(金) 捨て丸の敵 サルの奴らが
 朝から「捨て丸」の吠える声がうるさく泊り客は閉口したようだ。それもそのはず今朝はサルの軍団が切明温泉の周りを徘徊していたようだ。彼にしてみれば小さい体躯で鎖に繋がれて飼い主やその仲間に危急を知らせようとひとり頑張っていたのである。彼の孤軍奮闘は結局杞憂に終わるのだろうが捨て丸の存在を理解しない人たちにふたたび放浪の脅威が彼に迫っているのかもしれない。誰かパンダ犬捨て丸を救ってくれないだろうか。
 昼に仕事をやめて支払いに廻った。充分にあった赤いお札はどんどん減って仕舞いには青いお札が3枚残るだけになった。しかし払うものはちゃんと払えと教えられて育った僕にしては泣きながらでも払うということは存在の証明なのだ。そうしなければ冬季対策に振り向ける予算の割り当てが出来ない。これで大工事駐車場は僕のものになった。
 食料の買出しを終えて帰りつくと腹を減らしたお客さんがジッと僕の顔を見た。
 名言
  真実は多様なものだ。見方によって変化する。
                           映画「スター・ウォーズ」

2010/10/20(水) 昆虫も蝶も最後の姿がきれいだ
 雨は降らないのだがどうもはっきりとした青空というわけには行かないようだ。おまけにくぐもったような色づきの山はよけいに今年の山を曇らせている。
 昨日の夜にやって来た鳥甲山登山隊は今朝体操の後にここから鳥甲登路を登っていった。年配の方も入った一個分隊は無事に屋敷温泉に下山したようだ。まずは安心。
 山を歩いているとカマキリのようでカマのない昆虫を見つけた。口の悪い仲間はカマがないから「キリ」だろうと笑いを取った。そう云えば今日も黄蝶を見たし、シジミ蝶もまだ飛んでいる。今年の気温の暖かさの象徴のように眺めていた。ただ昼寝の時は寒くて目が覚めるのだ。ちゃんと秋になっているのだけれどまだまだ陽気が残っているということのようだ。
 このところ紅葉の具合など関係なくバスが通り抜ける。切明温泉から志賀方面に向う林道でバスに出会ったものなら大変でもみじマークの運転手はこの車にはバックギアは無いと頑なに後退を拒んでいる姿を見たことがあった。

2010/10/19(火) 水平道移動
 三日ぶりに水平道を歩いた。歩きながら考えたのはどうしたらこの道を日本に滞在している外国人たちに伝えられるだろうかということだった。春のさくらや新緑のころ、夏の日盛りのころ、秋の紅葉のころ、ゆっくりとこの道を歩いてもらいたいと思うのである。野反湖から来るか、草津に向うかそのまま渋沢から取って返すか。この水平道は自然に触れながらゆっくり歩ける格好の道である。苗場のような込み合った道を挨拶疲れを感じながら歩くより、鳥甲のようにドキドキ緊張しながら尾根を行くよりどんなにかいいだろう。しかしこうも思う。ジョンやピエール、キャサリンやアンが歩き出すとぞろぞろお調子者の人間が追いかけて歩き出すことだろうと。このまま何もしないで枯葉の中に埋もれさせることこそいいのかもしれないとも。 
 風が吹くのか落ち葉が雨のようにふりそそぎ帽子に当ってカサッと音をたてた。紅く燃えたもみじが道をおおい足音がそれをのみこんでゆく。木々はなんの衒いもなくただ季節の移ろいを通り過ぎて凛として立ち尽くしている。

2010/10/18(月) きれいな苔が覆っていた
 家の玄関を開けると先日パソコンの設定に来てくれたヤクミツルに似た技術者の方が近くに仕事で来たからとお土産を置いていってくれていた。かたじけなく思いつつ連絡の取りようがないのでここを借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 信州中野から通ってくる若手が言うのには志賀の紅葉は盛りを超えたようだと呟いた。仕事は近場だったから志賀方面の紅葉を見ていないがさもありなんと思っている。この辺りでは気温もまだまだ高く霜も下りることもなくもみじなどは青々としている。天気もからりと晴れるでもなくどうも予想したようにこのままということも考えられる。この分では見ごろは来週から月が変るころまで遅れそうだ。外の仕事をする僕にしたら寒いことよりこのままがいいのだけれど。昼にもう一本に天然ナメコが出る倒木を探したけれどもナメコは見えず一面の苔がきれいに覆っていた。古い木で木の皮が痛むとナメコも出なくなる。そう簡単ではないのだ。そろそろキノコも終わりになるのだろう。そうなれば雪か!
 名言
  腐ったりんごは 隣のリンゴを腐らせる
                            「金環蝕」山本薩夫

2010/10/16(土) 捨て丸つれてキノコ狩り
 朝からパソコンの工事が行われプロバイダーのから派遣された技術者が接続を完了して帰って行った。パソコンは今月内はOCNとJANISとを併用します。掲示板にも書き込みましたがプロバイダーを選べないのは残念だけれどここの立地を考えると致し方ありません。新しいアドレスは
 mokkiriya@miy.janis.or.jp
となります。そこのところ宜しく願います。さて今日はお客さんがおひとりいるので先日見つけておいた天然ナメコを収穫に向いました。出来れば薪を積みたかったのですが工事が終わったのが12時で掃除をしてそれで作業は出来なくなりました。そこで雄川閣の「捨て丸」をつれて山に入りました。見つけておいたナメコは山道を外れて少し行ったところにちゃんと採られもせずにありました。捨て丸はとにかく元気で山道を駆け上がるもので付いてゆくのが大変で、犬に連れられキノコ狩りと相成りました。このところ雨もなくキノコは乾いていましたがそれでも1.5kほどで少し送ろうかとも考えています。考えているだけですが。
 工事の間僕はずーっとカメムシの虐殺に熱中している始末。しかし彼らを見ていると僕の存在を視認しているようで触手を震わせて影の中に紛れ込んだり逃げたり、大盗賊団のように上手に逃げ回るのですナ。彼らも大変だが僕のほうも大忙しで嫌になるのです。成仏できないな。
 名言
  「人殺さねば、食を得ず、寺廻らねば罪消えず。人殺しつつ、寺廻りつつ、人殺しつつ」
                                       河口慧海

10月絵日記の続き


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