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2009/08/04(火)
汗の雨
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昔、まだ常磐線経由青森行急行「十和田」が走っていた頃のことだからまだ若かったのだろう。常磐線沿線に住む友人と上野で飲んで列車を見た瞬間に乗ると決めて青森に向かった。友人は北千住で下りて、「バンザイ」何かしていたと思う。気がついた時は列車は仙台を過ぎていたと思う。車掌に聞かれて青森までの切符を買って下りた青森駅は「ねぶた祭り」の日だった。その日の「十和田」で帰る私は日が暮れるまで青森を随分歩いたように記憶している。港の近くに梁山泊という飲み屋があってたしか一杯飲んでいた。いい店だったと覚えている。その夜の「ねぶた祭り」は圧巻だった。棟方志功の言うねぶたが街を離れて賑わいが遠ざかっていく祭りの余韻を楽しむまでいられなかったがあれはいい旅だった。十和田が廃止されたのが1985年だというからきっとあれは84年か83年の夏だった。ちょうど今頃のことだろう。東北はまだ梅雨が明けていないという。あの青森のねぶたは今頃雨に打たれているのだろうか。25年以上も前の話だ。もうあんなちょっとした旅は出来ないだろう。 仕事をしているとヘルメットをかぶった頭から雨のような汗が流れてきた。ふと手を休めて手ぬぐいを取ると目の前に黄アゲハの幼虫と見たことも無い形のカメムシがセイキ(シシウド)に群がっていた。
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