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2009/07/01(水)
「あか」について(2)
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仁成館に飼われた「あか」は何人ものお客を苗場山〜赤湯〜湯沢と送って行ったのだけれど、和山にいるときは近所のイヌに目の敵にされたようだ。和山にはもうひとつ「アカ」というイヌと「ポチ」というイヌがいた。この二つはオスイヌで仲がよく、もっきりやが川西荘といっていた頃ここにいた「シロ」というメスイヌをからかいに行くついでに、よく仁成館を通ったという。「あか」は客商売の仁成館でいつも鎖に繋がれていたが、「ポチ」「アカ」は自由奔放に飼われていた。昭和30年代そういった時代の話である。「あか」は秋田犬の雑種で体が大きく、一匹ではポチもアカも手が出せない。ただ二匹になると決まって「あか」に喧嘩を売った。「アカ」が正面から対峙し、「ポチ」が後ろから「あか」の尻を噛んだという。すると仁成館の先代のおかみさんは決まってポチの飼い主の所へ有線を掛けてきた。「おい、見てみろ、ポチがまたあかを噛んで血を流してるって。可愛そうだて」それでも「あか」は舐めて傷を治したのだろう。仁成館で19年、21年の生涯をこうして送った。 ポチはアカがいないときは仁成館を避けるように大回りしてシロに会いに行ったと言う。「アカ」についての話はまた雨の降った時にしよう。 今日の名言 人生は道路のようなものだ。一番の近道は たいてい一番悪い道だ。 フランシス・ベーコン n
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