|
2009/06/16(火)
友三郎さんのハエ取り
|
|
|
もう昔になるのだろうが郵便をやっていた小赤沢の友三郎さん話である。仕事が終わって事務所で休んでいると急に増えだしたハエがとにかくうるさくなった。そんななか組頭が思い出し笑いをしながら話し出した。 いやー小赤沢に友三郎さんという郵便屋さんがいて、この人は郵便を配った家ではどこでもお茶を呼ばれた。お茶を呼ばれながら囲炉裏の回りに止るハエを一匹ずつ指で押さえながら囲炉裏の縁に並べていった。あとで見るといつも10〜15匹ほどのハエが数えられた。それをどこの家でもやるものだから家の子供達は目を丸くして見ていたものだと。福一さんもこう話した「この人は薬缶頭で頭にハエが止るとゆっくり人差し指を回して必ずそのハエを押さえつけたものだ。まねしてもこればっかしは出来なかったナ」。組頭も福一さんも友三郎さんのこの話をする時は遠い可笑しい思い出を懐かしがるようだった。初夏のこの時期、禿頭の郵便屋の静かな武勇伝を思った。 そう云えば信州中野には金串でハエを刺す人の話や、仁成館に反口から手伝いに来ていた女衆は雑巾がけをするとき一俵の米俵を片手で持ち上げその下を拭いたという。 私も栃木の八丁の湯に来る「強力」で背丈の2倍ほどの背負子に100キロ(1キロ何円)以上の荷をつけて運んで来たのを見たことがあった。自分では30キロ米と20Lの醤油を運べない20代の頃である。 昔は色んな人がいてそれぞれ違った能力を持っていた。日本だけではなく世界中がそうだったから現在があるのだけれど、今ではそんな人間を誰も必要としないのか平均化されたつまらない人たちが何の能力にも気付かないまま死んで行くようだ。保健所の検査が済むと安心してしまうような人間ばかりだ。つまらないな〜 今日の名言 私が優等生になれるの バレーだけだったのかも知れませんネ 草刈民江 ダンサー
|
|
|
|